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3) 燃料供給ポンプ
 一部の小形機関を除き殆どの機関に設けられており、燃料噴射ポンプに燃料を供給している。一般にはフィードポンプと呼ばれており、小形機関にはボッシュ式が、又中大型機関にはトロコイド式やべーン式ポンプが使用されている。
(1) ボッシュ式フィードポンプ
 2・119図に示すような構造をしており、ピストンはポンプ室内のカムの動きと内部のスプリングによって往復運動を繰り返し燃料を送り出している。燃料の供給圧力が、規定値以上になると、バイパス回路から作動する圧力が、戻しバネ力に打ち勝ってピストンをシリンダ内に押し込み戻らなくするため、カムは空回りして送油が止まる。吐出側の燃料油圧力が下がると、ピストンはバネに押されて元の位置に戻され再び送油が始まる。なお、上部にプライミングポンプがあり、燃料系統の空気抜き用として使用する。
2・119図 ボッシュ式フィードポンプ
(2) トロコイド式フィードポンプ
 2・120図に示す如くポンプ本体内に歯数の異なるインナロータとアウタロータが偏心して組み付けられており歯と歯のスキマの変化により送油する方式である。
2・120図 トロコイド式フィードポンプ
(3) べーン式フィードポンプ
 ベーン式フィードポンプはケースと偏心したロータに数本の羽根溝を切り、これに羽根(べーン)をはめ込み、ロータが回転すると羽根が飛び出して燃料を圧送する方式である。
 吐出圧が規定値以上になった場合は、リリーフ弁が働き燃料を吸入側に戻すようになっている。


2・121図 べーン式フィードポンプ


 








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