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第2部 巻末資料
IT革命と日本の安全保障
防衛研究所第1研究部 高橋杉雄
1.IT革命の国家安全保障への影響
国際安全保障:グローバリゼーション
国家安全保障:情報RMA+サイバー戦
 
2.情報RMAの背景
○湾岸戦争を直接的なきっかけとして注目
精密誘導兵器、ステルス機、JSTARSなどのハイテク通常兵器の活躍
○情報RMAの構成要素
[1]情報システムの革新
多様なセンサーの整備による戦場認識能力の向上
ネットワーク技術を活用してリアルタイムでの情報の共有の実現
[2]兵器システムの革新
目標に対して長距離からピンポイントの精密攻撃
[3]指揮・運用に関わる革新
新たな戦い方に合致した組織・戦術などの構築
防衛庁の定義  「軍事力の目標達成効率を飛躍的に向上させるために、情報技術を中核とした先進技術を軍事分野に応用することによって生起する、装備体系、組織、戦術、訓練等を含む軍事上の変革」
   =単純に、IT革命の軍事への導入にはとどまらない
○情報RMA化された戦闘の特徴
戦場認識能力の向上
システム化による戦力発揮
精密誘導兵器の活用による精密攻撃
広域分散化した小規模部隊からの連携した攻撃
作戦域の拡大と作戦スピードの加速
電子的空間の利用
無人化・省人化
長期消耗戦から短期集中的な打撃戦への変化
効率的な兵站管理
 
3.米国の取り組み
 システム・オブ・システムズ概念を中心に情報RMA構想を推進
○全体
1996 「統合ビジョン2010」
  前方展開兵力とパワープロジェクション能力の維持・強化を前提
  情報技術を活用しての「情報優勢」の追求と、軍種間の統合の推進の必要を主張
 4つの作戦概念の提示:「支配的機動」「精密交戦」「全次元防護」「効率的兵站」
2000 「統合ビジョン2020」
 技術のみならず、人的、組織的な革新の必要を強調
 information operation 能力の重視
○陸軍
1994「フォース21・作戦」
1996「アーミービジョン2010」
1998 デジタル化師団編成の発表(師団定員が18,000から15,700へ)
1999「アーミービジョン」
○海軍
Network Centric Warfare 概念が中心
1997 「フォワード・フロム・ザ・シー」
○空軍
80年代末よりJTIDS(Joint Tactical Information Ditribution System)を運用
1996「グローバル・エンゲージメント」
○海兵隊
1997「オペレーション・マニューバー・フロム・ザ・シー」
4.日本の取り組み
○現状
2000.8 「防衛庁・自衛隊におけるIT革命」
2000.9 「情報RMAについて」
2000.12 「防衛庁・自衛隊における情報通信技術革命への対応に係わる総合的施 策の推進要項」
○情報RMAについての考え方
専守防衛であるが故の情報RMAの必要性
米国との相互運用性の維持
 少子化による、単位部隊あたりの戦闘効率向上の必要性
技術的優位性
=日本としても積極的に推進すべき
→「7原則」:情報化、統合化、迅速化、効率化、柔軟化、防護化、相互運用性
○今後の取り組み
 
5.日本の安全保障との関連における今後の課題
○国際安全保障への影響
グローバリゼーションとの関係
○同盟関係の将来
NATOでも作戦能力にギャップ
前方展開戦力の役割の変化?
○我が国の情報RMA化の方向性
国家戦略は何か?








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