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2. 個別会議議事概要
−個別会議開始−
 昼食のための短い休憩の後、午後2時から全体会議でのプレゼンテーション等を踏まえて各国との個別会議を開催し、質疑応答及び今後の計画に対する提案等を行った。各国との主な質疑応答等は以下のとおり。
 
ミクロネシア連邦
質問1
 どのような種類の船を購入する予定か?
回答1
 政府は、貨客船に関心を持っていたが、当面はODAの援助を受ける考えはない。外務担当の地域部門から同国に支援が提供された。さらに、約700〜800総トン級の貨物兼客船の建造を考えたい。
 
質問2
 日本以外の他の政府にも援助を求めているのか?
回答2
 中国など、他の政府にも依頼している。現在のところ中国から1隻の提供案があるが、さらに話し合いを続けている。
 
質問3
 現在、どのような目的の船を検討しているのか?
回答3
 最も優先されるのは貨物船兼客船である。
 
質問4
 貨物船に旅客を搭載しているとのことであるが、乗客の安全はどのように確保するのか?
回答4
 危険であることは分かっているが財政的に厳しい現状では、貨物用の船を別に購入する余裕はない。
 
質問5
 インフラの問題はどのように解決しているのか?
回答5
 島に港があれぱ、船は錨をおろし、サービス・ボートで人、貨物を運んでいる。ボートを下ろしてから、人と貨物をボートに降ろし、陸に運ぶことができる。
 島に港がないと、船はリーフの外側で荷役せざるを得ない。
 
フィジー
質問1
 ODAの援助を利用するとしたら、船を造れるか?
回答1
 今までのところ、特別な依頼や相談を受けていない。
 
質問2
 購入する前に、貴国が検討している船の大きさと、エンジンに対する要望に関する詳細情報をいただきたい。
回答2
 要望事項としては、約359総トンの船で、高速で陸揚げでき、耐久性があり、保守費用が安く、補修部品をすぐに入手できる船である。
 
質問3
 補修部品を購入する際に問題があるか?
回答3
 問題はない。むしろ、船の運航作業を行う優秀な技術者を雇用する際に深刻な問題に直面している。(訓練はシンガポールで可能であり、早急に調査した方がよいと後から分かった。)
 
質問4
 貴国にある造船所では新造船をしているのか?
回答4
 新造船はしていない。造船所は法人化されてから操業がうまくいかなかったようだ。現在は政府の配下にあるので、改革し業務を改善しようとしている。現在ある船舶は、政府によって修理されていない。
 
マーシャル諸島共和国
質問1
 貴国は中古の船を購入し、そのうちの1船はタンカーであるとのことである。新たに船舶を作る時期はいつか、それとも引き続き中古の船を購入するのか?
回答1
 政府が通常使っている中間業者であるエージェントNBKが、新しい船を2船購入する計画を立てている。このエージェントは、当面、中古の船を購入するつもりはない。
 エージェントNBKは、戦前から当国でサービスを行っていた。
 
質問2
 マーシャルには、浮きドックの拡張計画はあるか?
回答2
 この1000トンの乾ドックは自立型である。したがって、これを拡大するということは甲板梁を拡張して容量を最大にすることになるため財政的に難しい点があるが、まだ可能性を模索している。
 
質問3
 貴国の政府は、船積みサービスの優先順位を3番目に置いている。全面的な操業となった段階で、貴国の政府は十分な支援を行うのか?
回答3
 今のところ決まった計画はないが、これは検討する必要がある分野であり、政府は3番目としてはいるものの船積みサービスの需要があるため、日本から援助を受けたい分野である。
 
ソロモン諸島
質問1
 これまでにODAの援助で造った船は何船か?
回答1
 ODAの援助により約7船造った。そのうち5船は客船である。
 
質問2
 貴国が船の数を増やす際に、ODAの援助を受けるつもりはあるか?
回答2
 援助を受けるつもりである。政府所有の他にも、民間が上陸用舟艇を探している計画がある。
 
質問3
 経済援助についてお考えのようであるが、何か要望はあるか?
回答3
 要望はある。技術と財政面の援助の両方を政府に求めている。
 
質問4
 どのくらいの規模のエンジンを探しているのか?
回答4
 さらに詳しい内容は本日夕刻の歓迎レセプションでお話したいが、今この時点で言えることは、我が国は購入した機器が同じブランドの製品になるよう標準化を模索していた。
 
質問5
 日本では商業船は輸出できなかった。貴国には、そうした船を建造する設備はあるか?
回答5
 我が国にはない。
 
−個別会議閉会−
 質問が出つくしたところで、JETRO SINGAPORE山?が閉会を宣言した。
 
−歓迎レセプション−
 ホテル内プールサイド「Snappers」で会議参加者による歓迎レセプションを開催した。
V. 後 記
 本会議は、シップ・アンド・オーシャン、(社)日本中小型造船工業会の有形無形のご支援を賜り、また、(社)日本中小型造船工業会会員会社 、舶用機器メーカー、国土交通省から、またオセアニア諸国から多数の参加をいただき、真剣なご議論をいただき、かつ懇親を深めていただいたことを心から感謝します。
 これらの皆様のほかにも、本会議の開催準備期間中、多数の関係者のご支援・ご協力をいただき、それが本会議の成功に不可欠であったことを記したいと思います。
 また、会議終了後オセアニア諸国からの参加者と連絡を取り合っていますが、そのうち、マーシャル諸島から参加した運輸・情報省次官であるMr.Betwel D Lekkaから具体的な援助要請案件の提案があったことも付記します。
 以下に開催準備期間中のご支援・ご協力の具体例を記し、感謝の言葉といたします。








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