はじめに
誰もが必然的に老いを迎え、身体にハンディキャップを持つ可能性があるという考え方に立った場合、家屋や公共施設などの建物はもとより、移動するための車や鉄道など、これまで言われてきたような、「障害者用…」「高齢者対応…」などといった特別なものではなく、老若男女を問わず誰もが快適に使える、いわゆるユニバーサルなデザインの考え方が求められています。国の施策においても「高齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(通称ハートビル法)」や「高齢者、身体障害者の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(通称交通バリアフリー法)」が制定され、今後、障害をもった方々の移動が一層促進されることが予想されます。
そんな中、公共のトイレの位置づけもこれまで以上に機能の充実や快適さが求められます。しかしながら、トイレという極めてプライベートな空間という特性からか、トイレの用いられ方とそれに応じて要求される性能に関する情報については必ずしも十分であるとは言えないのが現状のようです。
今回ご紹介するのは、手探りながらもユニバーサル志向で取り組んだ「こだわりトイレ」です。このパンフレット片手に、しばしのトイレ・タイムにおつきあい願います!