第3回ユニバーサルトイレ調査委員会
[テーマ] ユニバーサルトイレに求められるもの
日時:2001年2月21日
場所:日本財団8階 第1会議室
■委員からのコメント
《川内》
日本財団が助成をする場合の考え方について提案する。事前検討して、実際の物作りを行い、できたものを事後評価し、さらにそれらから得られた情報を次ぎの事業に生かす、という流れのできている計画に対して、日本財団は助成をすればいいのではないか。
チェック項目を設け、申請書に計画として書いてもらう。それを審査し、OKならば助成をする。実際の工事(プロセス)がスタートしたら、適宜日本財団から担当の人が行って、どういう状況に進んでいるかをオブザーバーとして監視していく。できた後には報告書を出してもらい、日本財団としても現地を調査して、最終回のお金の支払いをする。プロセスに対して助成していくことは可能だと思う。
《草薙》
トイレの問題は、まちづくりということにもつながる。トイレを軸にして考えてきたらだんだん普遍的で大きなこととつながってきた。
ユニバーサルという言葉は、すべての人にという訳もあるが、時代的にも共通するし空間的にも共通するという意味で普遍的という訳もある。どちらの意味にもまたがるような複眼的な志向を持っていていいのではないかと思う。
《小林》
トイレを作る上でプロセスが一番大事なところだと思っている。学校のトイレを作っているが、学校のトイレを作る特徴は、みんなの声を聞きながら作る、参加させながら作ること。究極はマナーとメンテナンスだと思うが、トイレが自分にどんなに大事か、みんなが考えないと、マナーも良くならない。
アンケートは、施設側のものしかない。当事者のアンケートがとれないか。いろいろな障害を持った人たちのアンケートをたくさんとってみて、彼らが、こういうトイレに行っているとか、こういうところで困っているとか、当事者の声としてたくさん出てきたら、もうちょっと見えてくるんじゃないだろうか。
《小山》
トイレを作って管理し、壊れたら修理をしていくことになるが、縦割り行政だから担当者が変わったらわからなくなってしまったりする。何とかして横のつながりを確立していかないと、一つトイレができてもそれがいい状態で管理されていくことが難しいかなという気がする。住民参加はもちろん、それとは別に、トイレ単体ではないことが求められている。
《小滝》
多様なニーズ、いろんな利用の要求がある。話を聞けば聞くだけ新しいことがわかって、結局整理がつかなくなったりすることもあるが、できるだけ丹念に汲み上げることが大切。
トイレ・ネットワークという考え方もとり入れたほうがよいだろう。ユニバーサルトイレというと、いわゆる身障者トイレをイメージし狭くしてしまっているが、それだけでなく、ごく普通の一般トイレもシェアにいれて考える必要がある。