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小魚、エビ、イカ、そういうものが本来の主食なはずですが、丸のみにしてしまいます。博物館の近くは冬場になると、下のほうと上のほうで水温の差がなくなってくるものですから、よく打ち上げられるんです。それを拾ってきて、おなかを割いてみますと、とんでもないものが入っていたりします。(スライド21)これは小学生たちがそれを拾ってきて、冷凍にしてあったものを見せて、実際におなかをちょっと開いてみているところなんですが、これが胃内容物、これじゃ、ちょっとわからないんですが、もう一枚。

これは怖い写真ですけれども。これは全部ビニールです、多分スーパーのレジ袋です。あれが水中をずっと漂うんです。海水と比重が非常に近いし、さらにごく薄い膜状で広がっていますので、なかなか浮きもしないし、沈みもしない。それから、具体的なメーカーの名前を出して申しわけないんですけれども、これはヤクルトの容器なんです。これも海水とほとんど同じ比重なものですから、水中をずっと漂っているんです。先ほど申し上げたみたいに小魚、イカ、クラゲみたいなものも食べるんです。もうまさに海の中で見たらこういうのというのは、そういう餌生物と同じなんです。それで彼らは丸のみにしてしまいます。弱って打ち上げられたときに腹を開いてみると、こんなものが出てくる。

(スライド22)

初めのほうにもお話ししましたけれども、海が汚染されてきているということが、表面というのはわりとわかりやすいし、浅いところの海底というのもわりと調べやすくて、わかりやすいんですが、あまり知られていない外洋の中層にこういうものがずっと漂っているということもわかる実験です。ことしは実験的にやってみたんですが、常時のプログラムに組み込めません。その理由は、この標本が常にあるとは限りません。年によってたくさん打ち上げられたり、ほとんどなかったり、打ち上げられても早朝に行かないと、カラスやトンビがどんどん食べられたりします。こういう環境についての取り組みもしたほうがいいと思って、提案している、まだ開発途上といったらいいんでしょうか、トライしているプログラムです。

これは1999年の4月から始めたプログラムで、ことしも一部分、変更したのですが、その利用状況ということで、私ども地元静岡県は、それほど多くなくて、神奈川県、東京都、この数字は参加者数じゃなくて、団体の数です。わりと関東の人たちから利用されているなという状況です。

その団体の方たちに何人かに聞いてみますと、大体は複数のプログラムを時間を追っておこなわれたり、それから、周辺に泊まられて、例えば近くの漁師さんが干物づくりなどもやっているんですが、そちらへも参加されたりということで、当館だけじゃなく、周り全体を使っての体験学習をされています。

 

 

 

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