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b. 船の科学館/宮田勉

 

こんにちは。船の科学館の宮田でございます。船の科学館は、お台場に隣接した東京港の埋め立て地にある海事博物館です。こちらの船の形をした建物、こちらが本館の施設で、船の構造ですとか、歴史、貿易、それから、日本の和船を中心とした展示コーナーなどで展示構成されています。そのほかに、前に幾つか船がごらんいただけますけれども、こちらのオレンジ色の船がもとの南極観測船の宗谷、こちらの白い大きな船が青函連絡船羊蹄丸、こちら実船を展示してございまして、特に宗谷につきましては、第3次の南極観測当時の状態で船内のほうもごらんいただけるようになっています。また、その他の屋外施設として、本年度から、船の科学館前の水面を、東京都からお借りすることができましたので、羊蹄丸の船尾のところにこのような体験学習の専用桟橋を設置いたしまして、体験試乗会ですとか、水質調査などに活用しております。(スライド1)

船の科学館は、昭和49年7月のオープン以来、既にもう27年ほどたっております。ただ、この周りは最近でこそ観光地としてにぎわっておりますが、7年ほど前まではほんとうに草ぼうぼうの埋め立て地に建っておりまして、近隣の学校というものもほとんどございませんでした。最近、小学校と中学校を併設した一つの学校がお台場地区にできましたが、それまでは大体歩いて30分以上、もっとかかるかもしれませんが、近隣に学校がないものですから、地元の学校との連携した学習というのは、これまで行ってきてないのが実情です。ただ、年間に約60万人ほど私どもにはお客様がお越しいただいていまして、その4分の1ほどが学校団体で、修学旅行、あと社会科見学ですとか、遠足でご利用いただいております。

ただ、日本は海洋国家で周りを海に囲まれているんですけれども、現在のカリキュラムの中には船ですとか、海に関する授業というのがございません関係上、お子さん方が、いらっしゃいましても、なかなか興味をもっていただけないといいましょうか、理解しづらい施設だったように思われます。日常の生活の中で船とか、海に関するかかわりを持ってないために、先生方も教えていただく内容をお持ちでなかったりします。そこで、7年ほど前から体験学習などを多様してなるべく子供たちに実体験の中から船だとか、海について学んでもらい、その過程の中で展示場の中の展示物に触れてより効率的な学習をしていただけるようにつとめております。

 

 

 

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