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今後の方向性でございますけれども、子供たちに通り一遍のテーマだけに取り組むんじゃなくて、もっと幅の広い、掘り下げた探究ができるように、これは、資料館及び学習コーディネーター、ボランティア教師を含めてそういった方向に今後誘導していく。それから、当然国土交通省、北区の施設でございますから、学習を通じて親水思想、河川愛護の認識を今後もさらに高めていきたいなと思っております。来年の3月末ぐらいには、おそらく累計で5,000名ぐらいの子供たちを受け入れることになるんではないかなと予想しております。ただ、問題なのは手不足でございます。今1日に3校ぐらい来ることがございます。また、多い日は1日に7件、8件の予約申し込みがございます。常に予約の受注残が10件以上ございまして、非常に対応に苦慮してございます。館内を案内するアモアガールというのがおりますが、手が足らなくてアモアガールを応援させたり、事務局長に荒川の歴史についてのレクチャーをしてもらったりというふうな形で対応しております。

それからもう一つは、アクセスですね。川の直線距離ではかりますとわりあい近いんですけれども、実際に交通機関を利用して来るとなるとかなり迂回をしてこなきゃいかん。しかも、赤羽の駅から歩いて20分という距離で、これが一番の問題でございまして、最近は東京都公園協会が荒川に平行して走っている新河岸川に水上バスを走らせているんですけれども、ここが一肌脱ぎまして、規定料金の2割で子供たちを運ぼうということで、下流地域からサービス料金で子供たちを今、運び始めております。これは非常に好評でございます。

問題点といたしまして、最後になりましたけれども、総合的な学習というのは、先生の創意と工夫、これがキーワードでございまして、みずから課題をみつけ、みずから問題解決するんだというわりにしては、どうも先生方がまだなれない、あるいは忙しいんだという理由で、全く準備をしていらっしゃらないで来る学校が多いんですね。1週間前に資料を送っても、担当の先生の手元に届いていない。野草標本作り用のラミネートは手が足りないから、来館までに使い方を習得してきてくださいとお願いしたにもかかわらず、やってこないのでできませんというふうな先生方が多くて、先ほども先生方の意欲の問題が指摘されましたけれども、ほんとうに先生方、真剣に総合的な学習に取り組む意欲があるのかな。中にひどいのは、電話一本で子供をやるから頼むよという先生もいらっしゃいます。何を考えているんだろうと思いますけれども、私どもは出切ることはなんでもお手伝いしますが、先生もひとつ大いに勉強して、総合的学習とは何ぞやということを改めてお考えなさったらいかがかなあと思っております。

 

 

 

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