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ここで、不登校に対するフリースクールやカウンセラーの関与のしかたを、便宜的にイメージ図にまとめてみると下図のようになります。

 

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不登校といっても、「学校に行かない状態」自体が問題というよりも、むしろ長期の引きこもりを伴うなど、将来の社会適応を妨げるような不登校状態の継続が問題なのでしょうから、まずどのようなタイプに該当し、どのような経過をたどってきているのかを見ていくことが重要です。引きこもり始めた子どもを無理に外に連れていこうとすれば逆効果ですし、精神的な安定が見えてくれば適度な刺激も必要です。

民間のフリースクールやカウンセラーのグループのなかには、例えば教員経験のある老夫妻が廃校を利用した全寮制フリースクールを運営していたり、不登校児・生の家庭には共通して父親の存在が薄いことから「オヤジの会」を立ち上げて父親同士の交流の場をつくったり、元不登校経験者がパソコンを通して相談活動を行う一方で、IT技術の習得により自立を試みようとしたりするなど、各地で特色のある活動が見られます。「フリースクール編」「カウンセラー編」では子どもたちの本源的な活力を引き出しながら、学校復帰や社会参加に成果をあげている実践事例をとりあげました。

最後に、今「不登校」の問題をかかえている方々が、本書に掲載した42事例を参考にして、脱「不登校」への手がかりを少しでもつかんでいただけたら望外の喜びです。

 

日本財団ボランティア支援部

 

 

 

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