自分について
家族構成は、父、母、自分、それに弟ふたり。父はサラリーマン。年収など詳しいことは聞いたことがないが、兄弟3人をいずれも私立の高校に進学させているので、やはり収入はそれなりのものだと思う。母は家事の他、造花の内職をしている。無責任ながら、その負担も僕は知らない。自分は、私立の高校に進学。高校には、1年通って中退。弟ふたりは私立の高校に進学。そのうち、すぐ下の弟は都立の大学に進学。
僕の目から見ても、おそらく客観的にも、家庭環境は恵まれている。申し分ないと思う。両親の仲は、決して良かったとは思わないが、表だったいさかいもない。ごく普通の住宅街に住む(ということからして、すでに両親にとってはたいへんだったろう)、一般的な家庭に育ったと僕は思う。
―経過―
父の単身赴任
不登校になったきっかけは、自分自身ではよくわからない。気がついたら、学校に行くことができなくなっていた。僕が不登校になった当時のことを考えると、父の単身赴任が大きな影響を及ぼしていると思う。今まで大きかった父の存在がなくなったことで、自分のタガがはずれるような感覚があった。
たいして行きたくもない学校に行き、友達との付き合いで入った部活にいやいや出る。僕の通っていた学校は、勉強が厳しかった。しかも中学校の付属であったので、高校から入った僕は、なかなかクラスに溶け込めなかった。部活は中学からの推薦組がしきっていて、ついていくのが本当にきつかった。父がいなくなった途端に、そんな何もかもがどうしようもなくいやになった。
不登校になった当初は、とにかくずっとベッドの中にいた。起き上がることもなく、食事もロクにとらず、たまにやりきれなくなると大声を上げ、壁や襖を殴りつけた。本当にどうしようもなく、そんなことを繰り返していた。
初めのうちは、なぜ学校に行かないんだと言っていた母も、僕がどなりつけたり、壁を殴ったりしているうちに、何も言わなくなった。食事をとれとは毎日言っていたが、母もどうしていいかわからないようだった。そんな母を、僕はとても憎らしかった。自分勝手な話だが、もっとしっかりして欲しいと思った。はっきり、何か言って欲しかった。
父は単身赴任のせいもあってなんとも言えないが、特に変わったようには見えなかった。父に関しては、もう前から全く期待しないことにしていたので、なんとも思わなかった。こちらも勝手にするから、そちらも勝手にしろという感じだった。