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漁港の役割と種類

日本における漁港は、水産資源を維持管理し、安全な食料を安定的に供給するため、その漁業生産基盤(港、魚市場、冷蔵庫、加工場、造船、修理など)となっているばかりでなく、プレジャーボートの基地、祭りの場、漁協の事務所が有している郵便局や銀行などの機能も考えると生産基盤だけではなく、漁村全体の社会基盤となっている。

漁港、漁村や漁場の開発、整備や管理は、総合的な視点とさまざまな利害関係の調整が必要となってくる。

 

第1種漁港

その利用範囲が地元の漁業を主とするもの…2,211港

第2種漁港

その利用範囲が第1種漁港より広く、第3種漁港に属しないもの…512港

第3種漁港

その利用範囲が全国的なもの…100港

第4種漁港

離島その他辺地にあって漁場の開発又は漁船の避難上特に必要なもの…101港

 

特定第3種漁港

第3種漁港のうち水産業の振興上特に重要な漁港で制令で定めるものをいい、次のとおりである。

八戸(青森) 塩釜(宮城) 気仙沼(宮城) 石巻(宮城) 銚子(千葉) 三崎(神奈川) 焼津(静岡) 境(鳥取) 浜田(島根) 下関(山口) 博多(福岡) 長崎(長崎) 枕崎(鹿児島)…13港

 

<参考>九十九里浜付近の漁港

北から銚子漁港(特定3種)、外川漁港(第2種)、飯岡漁港(第1種)、栗山川漁港(第1種)、片貝漁港(第4種)、太東漁港(第1種)。

 

【清野】 今、宇多さんが話されたことに関連して、面白い話があります。

先週、私は浜名湖に行ったのですが、その時にお会いした静岡県水産試験場の人の話で非常に面白かったのが、「なぜ浜名湖のウナギがあれだけ有名になったのか」ということでした。これはウナギの養殖技術が入って来た頃、浜名湖周辺には誰も使わない所有権のあいまいな湿地がそこら中に広がっていたからなのだそうです。そのときにウナギ養殖池ということで、まず囲いを造って、「ここはおれの池だ」というと、その人の私有地になったそうです。

このように日本では湿地を、ウナギ養殖や塩田に利用するとか、ハス田だとか、そして少し乾いたところは水田に利用するといった具合に歴史的に利用して来ました。アメリカやヨーロッパの人が「湿地は自然のまま残すべきだ」と自然保護上の意見を言ってくるのはわかるのですが、こうした歴史的な背景を持つ日本では、なかなか頭の発想が切り変わらないのが現状です。

 

日本人は1年間に69.9kgの魚を食べる?

1993年〜95年平均における日本人の魚消費量は69.9kgで世界6位。ちなみに世界平均は14.5kg(国連食糧農業機関「FAO」調査)。国内の魚の消費量は減少しており特に若い世代の魚離れが進んでいる。1998年の漁業生産量は約670万トン、1985年前後のピークと比較して半減しており、魚貝類の食糧自給率も1980年の92%から1997年の60%と減少している。日本の漁業は、1億2千6百万人の人口を有する我が国の将来を見据えた食糧の安定供給の観点から、また、海洋資源の持続可能な開発や海洋環境保全などを目指す国連海洋法条約の観点からも活性化に向けた施策が望まれるところである。

 

品目別の自給率

012-1.gif

資料:農林水産省「食糧需要供給表」(平成9年度)

 

漁業水産量の推移

012-2.jpg

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」

 

水産物貿易の推移

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資料:大蔵省「貿易統計年報」から再編

 

 

 

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