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付録

 

部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船に適用する貨物コンテナの積載・隔離要件に関する調査報告

 

国土交通省船舶技術研究所

 

1 調査の概要

IMO第5回危険物、固体貨物及びコンテナ(DSC)小委員会は、部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船に適用すべき貨物コンテナの積載・隔離要件を策定することを合意し、各国はコメントおよび提案を第6回会合に提出するよう要請された。運輸省海上技術安全局の要請に応え、船舶技術研究所は、日本船主協会危険物小委員会の協力を得て、そのような船舶に適用すべき要件について調査・検討を行った。この文書は本調査の報告である。本調査は次に示す段階を追って実施した。

(1) 現行の国際海上危険物規程(IMDGコード)に規定される積載・隔離要件に関する基本原則についての再確認

(2) 部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船に適用する、危険物を収納したコンテナの積載・隔離に関する原則の検討

(3) 上記原則に基づく積載・隔離要件の策定

(4) 実際の積荷計画の作成を想定した、積載・隔離要件の実行性の検証

上記(2)〜(4)の過程を実際的な要件が策定されるまで繰返し行った。

 

2 部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船に適用する貨物コンテナの積載・隔離要件に関する基本的了解事項

部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船は、当然のことながら、ハッチカバーを有している。そのようなコンテナ船と在来型コンテナ船との構造的な違いはわずかであり、それはハッチカバー間に隙間が存在することである。一般的に、ハッチカバー間の隙間は50mm以下である。以上の理由から、部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船に適用する積載・隔離要件は、風雨密ハッチカバーを有する在来型コンテナ船に係る要件をベースとし、これに隙間が及ぼす影響を勘案し、策定すべきである。

積載・隔離要件の策定にあたり、隙間が及ぼす影響として次の3点が考慮されるべきである。

(1) 危険物を収納したコンテナの「甲板上積載」

(2) IMDGコードにおいて「甲板上のみ積載」を規定された危険物を収納したコンテナの積載

(3) 鉛直方向の隔離に関する「1以上の甲板を介在させて積載する場合を除き、同一鉛直線上に積載しないこと」との規定の解釈

これらの点について検討を加え、積載・隔離に関する新たな要件を策定し、積荷計画の作成に及ぼす影響について検証を行った。

 

3 部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船に適用する追加的積載要件

3.1 「甲板上積載」を制限する基本原則

危険物を収納したコンテナを、ハッチカバー間に隙間のある甲板上に積載することによる危険性は、危険物が隙間下の船倉内に浸入する可能性があることである。

 

 

 

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