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全体レクリエーションを終えて組別の交流会へ移動し、紙相撲やドッジボール、ボディーパーカッションなどを行い交流を深めた。言葉は通じなくてもお互いにやろうとする事が読み取れたようだった。相手を思いやる心、理解しようと努力する心が自然とみんな溢れていた。

15時30分。いよいよ釜山海祭りパレードへいざ出陣。2日前から現地入りしていた大蛇山組立スタッフの手により、すっかり組み上がっていた山車は、中国のパレードに続きゆっくりと動き出した。太鼓・鐘・バラ太鼓・チンココそれぞれの音色が釜山の空に鳴り響き、それに合わせて全員が「ヨイサー・ヨイヤサー」と声を限りに叫んだ。

ホテルから出てくる人、ビーチから上がってくる人、車を止めて観る人、カメラを手に近づく人・人・人…。この大蛇山こそが、大牟田の誇れるもの、大切な宝物だと異国の地に来て改めて痛感した。

パレードも無事に終わり、韓国の子供たちとのお別れ会の会場に着いたときにはすでに薄暗くなっていた。一緒に弁当を食べ、松明やサイリュウムや花火を使ったレクリエーションを行い、そして別れの時をむかえた。握手を交わす者、抱き合う者、メモを交換する者、それぞれに別れを惜しんだ。短い間ではあったが実りの多い交流会であった。

その後、予定時間を少し過ぎて研修所へ到着。重い足を引きずりながら部屋へ戻った。ハードで長く、そして楽しかったその日の日付が変わった頃、大蛇山の解体スタッフのバスが帰ってきた。

 

[第3日目] 8月2日(水) 小雨のち曇

6時起床。6時30分からの朝の集いで、各スタッフから本日の行程や諸注意事項が連絡された。さあ、最終日だ。今一度気を引き締めていこう。

朝食、洗面を済ませバスへ乗り込み、最後の参観地である龍頭山公園へ向かった。釜山市内を一望できるこの公園は、一二〇mの釜山塔や忠武公李舜臣将軍銅像、花時計等があり、奇麗に整備されてある。早速、組ごとに分かれて記念写真を撮ったり、塔へ上ったり、そしてみんなが楽しみにしていた韓国の通貨『ウォン』を使っての買い物へと、決められた時間の中おこずかいを握りしめ走り回った。

その後、釜山金海空港へ着き、お世話になったガイドさんへ別れを告げ、思い出が一杯詰まったこの韓国を後にした。

予定通りに福岡空港に着き、組ごとにバスに乗車。昼食を取るため、博多観光会館へ向かった。少し冷えた釜飯だったが、安心できる味とでも言うのだろうか、団員たちもガツガツと頬ばっていた。やはり、日本食が一番である。

食後に、この会場を貸し切っての反省会では、組毎に分かれ団員の感想などが発表されていた。「きつかったけど楽しかった」、「ご飯がまずかった」、「友達が沢山できてよかった」等、各団員からの発表が行われる中、「来年もあると?」と言う質問が耳に入ってきた時にはさすがに苦笑した。

そして、「思いでサイン会」では色紙へ思い思いのメッセージを交換した。色紙には入りきれずにTシャツへ、そして顔への落書きへと段々とエスカレートしていく…。みんなこのおおむた少年の翼の良き思い出だ。

それから1時間後、私たちを乗せたバスはみんなが待つ大牟円市立体育館へと滑りこんだ。

ピーンと張り詰めた空気の中、団長から市長へ最後の人員報告が行われた。「おおむた少年の翼、団員一五五名、スタッフ一〇〇名、総勢二五五名異常無し、報告終わり」。

この言葉を聞くために、スタッフ一丸となり頑張ってきたようなものだった。自然と熱いものがこみ上げた。最後に終了証の授与。班長から団員へ心を込めて一人一人に手渡していく。

わいわい楽しく終了証を渡す組、団員のみならず班長・組長までもが泣き出す組。

地域や年令を越え、知らなかった仲間が集い、異国の友人や文化に触れ、楽しくそして辛いときを共有し、すべてをやり遂げた達成感。この旅を通して、多くの体験をした団員たちの顔はいきいきと輝いて見えた。

3日間の本研修はすべて終了した。我々スタッフは、子供に直接ふれあう機会は少なかったが、スムーズな運営と安全に気を配り、みんなが楽しめる様頑張ってきたつもりだ。多少の不手際もあったろうが、この本研修を通して多くの事を学ばせてもらった。

 

 

 

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