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(2) 接合部には両材料が拡散接合できる複合材料フラックスが必要である。

(3) 両材料を余りに加圧し、接合すると多孔質材量が熱変形し、潰れてしまう。

(4) 空気中で接合処理するとフラックス部に酸化が起こり、接合を害する。

(5) 多孔質材が余りに密だと毛管現象によりフラックスが多孔材に沁み込まれてしまう。

以上を勘案して接合法を次のように特定した。

 

1] 接合には真空炉を用い、接合温度は1300℃とする。

2] 接合のフラックスとして(Cr:18〜20%、Si:10%、C:0.2%other Ni)

3] 上記フラックスにパラジウム2〜3%を添加する。

4] 接合では余り加圧力を増加させない。

 

以上の条件により、肉厚1mmの平板と厚さ10mmの多孔質版を重ねて接合処理を30分間実施した。その結果、両材料の接合ができた。

 

図5.1には基材平板にSUS304を用い、多孔質材ではNi−Cr複合材を用い接合試験を実施し、接合が出来た試験片の写真を示し、図5.2には試験片を切断し、接合状況を観察した結果を示す。多孔質材の繊維組織と平板とがロウ材を介して拡散接合しており、接合面に不完全接合部が見当たらない。従って、上記試験条件にて接合が出来ることを確認した。本材を用いて大型部品を作ることを目指し、大型試験片の接合を試みたところ一部に変形が発生し、十分な接合状態に至らなかった。今後、試験を重ね、接合の安定化を図ることにするが熱交換器を作製し、問題点を摘出すべく当初予定の熱交換器構造体を試作した。(図5.3)以上を纏めると多孔質材と平板の接合試験条件は以下となる。

 

表5.1 試験条件一覧表

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