日本財団 図書館


今回の試作エンジンでは基本エンジンを市販品の6気筒ディーゼルエンジンを利用することとし、このエンジンの3、4番目の気筒をガスエンジン仕様に改造し、それぞれ単気筒を用いて試験を進めることとした。

尚、エンジンの開発に先立って、このエンジンシステムの熱効率の最終目標値が60%以上と極めて高いので、システムを構成するエンジン、燃料改質装置、熱交換器、熱回収装置、等のエネルギーフローを計算で求め、それぞれの開発の目標値を決定することにした。計算によると、エンジンの熱効率を43%にすることが出来れば燃料改質、排気、蒸気タービンの動力回収により、このエンジンシステムの熱効率は61%になる。この値はそれぞれのシステムの効率を低めに設定した結果である。

 

以上がエンジンシステムの概要である。

熱交換器の設計では気体−気体の熱交換器において熱流上、最も抵抗になるのが気体から熱交換器に流入する熱伝達率である。熱伝達率の値を変化させることは困難であるが熱伝達面の面積を大幅に増加させて熱伝達面の熱流入を増加させれば、効果的に熱を移動させる事が出来、この熱交換器の容量は1/4〜1/6になる。この理論に基づいて、気体側の熱伝達面を耐熱金属により作られた多孔質金属を用いることとした。しかし、多孔質金属交換器の隔壁である平板を接合させる事が難しく、その接合技術の確立に苦労した。多孔質材の接合表面の気孔を埋め、多孔材を構成する材料の粉末からなる接合材を合成し、1300℃の真空炉内で接合させたところ、上記材料の接合に成功した。

 

表4.1 平成12年度試作単気筒エンジンの仕様

011-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION