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それが国際的にネットワークをもっていくというような仕掛けが何か考えられるのではないかというふうに実は前から思っています。これはもちろん、コンセプト・リーダーは政策面、政治面でこれは長官が今やっておられるわけで、技術面ではそういうリーダーが、そういうことをちょっと私は感じたんです。すみません、勝手に言わせていただいて。あとお1人ぐらい質問の時間があるかと思うんですが。

 

H 朝日新聞のHでございます。生活スタイルの変換ですね。ここに尽きていくんだと思うんですが、マクロの数字を議論しているとなかなかそこに到達しない。私はワシントンに駐在してまして、それからグレスリーにいたんで、それぞれの土地からこの交渉を見ましたが、今日本にいるわけで、3つ比較するたび非常に今関心が薄いですね。議論が細かくなればなるほど、これからますます薄くなる可能性があると思うんです。そのギャップをどうして埋めていくかということをまじめに考えないと、数字ばっかり合わせているという印象をぬぐえないと思うんです。結局自分の問題でないと。先生がおっしゃったようなことも難しくなって、そういう認識共同体と一般の人の距離がどんどん広くなっていく。

IPCCも最初のころに比べればすごく厳しい評価をしているわけですよ。なのにどれだけ関心が薄いか、第1次評価のときはものすごく関心が高かったですね。この現象をどうやって解決していくかまじめに考えないと、恐らく国内政治ではそんなのうまくいかないから、アメリカでもうまくいかないし、非常に作業は進まないというジレンマが続くと思うんですよね。そこのところが非常に大事じゃないかなと思います。

 

川口 全くおっしゃる通りで、これからの話としてそれが一番大事だというふうに私も思っています。どういうふうにそれをやっていけばいいだろうかということをいろいろ悩んだり考えたり、あるいは一部実行したりしているんです。この間実は11月3日に京都でタウン・ミーティングというのをやりまして、「京都からハーグヘ」ということで、公募してきていただいて、それで温暖化問題を中心に議論したんですね。それは1つの努力、何がいいかなと思ってやってみた、やってみたという言葉は悪くてやらせていただいて、それを多分どんどんこれから広げていくことになるだろうし、それからいま実は東京財団の方とかNGOとかちょっとお話をしながら、あるネットワークというものが立ち上げられるかなということを思ったりしています。

 

 

 

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