自己資本比率規制に関するバーゼル合意の見直しについて
1. これまでの経緯と今後のスケジュール
・1988年7月 バーゼル自己資本合意(いわゆるBIS規制)公表
・1992年末 バーゼル自己資本合意の経過措置終了
(日本は93年3月期)
・1996年1月 マーケット・リスク規制公表
・1997年末 マーケット・リスク規制実施
(日本は98年3月期)
・1998年3月 バーゼル合意見直しに関する検討を開始
・1999年6月 バーゼル合意見直しに関する第1次市中協議ぺーパーの公表
・2000年3月未 第1次市中協議ぺーパーに対するコメント期限
・2001年初め 第2次市中協議ぺーパー公表予定
・早ければ2002〜2003年にも新規制実施か
2. 見直しの理由
・現行規制は、事業会社向け貸付のリスクウェイトが一律100%とされているなど、リスクの捉え方が大雑把で画一的であり、近年の金融技術の進歩に適合していない。
→よりリスクを適切・正確に反映するような枠組みに改定
3. 改定案の枠組み
→第1の柱―最低所要自己資本比率
(1) 信用リスク規制(各行の選択により下記1]ないし2]を適用)
1] 標準的手法
・現行の規制を基本としつつ、外部信用評価を利用してリスクウェイトの設定を精緻化
2] 内部格付手法
・銀行自身が与信先に対して行なっている内部信用格付を利用した所要自己資本額の算定手法を導入
(2) その他のリスクについての規制
→第2の柱―自己資本充実度に関する銀行自身による内部評価プロセスと、監督上の検証プロセスに関する基準を策定
→第3の柱―ディスクロージャーの充実により市場規律を活用