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司会 皆さま、本日はお忙しい中、東京財団第29回アフタヌーンセミナーにお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

本日は講師に毎日新聞社「エコノミスト」編集次長でいらっしゃいます梶原英之さんをお招きいたしまして、「経済ニュースの舞台裏―マスコミによる経済事象の選択と報道―」というテーマでお話しいただきます。梶原さんは20年以上にわたりまして経済記者、そして編集者としてご活躍でいらっしゃいます。

本日は、まず1時間ほど梶原さんにお話しいただきましたのち、30分ほど質疑応答の時間を設けさせていただければと思っております。また、セミナー終了後、別室にてコーヒーのご用意もしておりますので、そちらのほうで引き続きお時間が許せばご歓談ください。

それではよろしくお願いいたします。

 

2. 講師報告

 

梶原 梶原でございます。いつもはこの紙、名刺代わりの紙ですが「エコノミスト」という雑誌をつくっています。デスクとしてつくっていますが、肩書きとして編集次長となっているだけで、普通のデスクで売れない仕事をしています。

今日は、おもしろいような形式で話せるものということで、このレジュメに書きましたような「経済記事は資料足りうるか」1ということを中心にお話しいたします。つまり、研究者の方々と我々の意志疎通ということを考えたときに、経済記事ってどんなものだろうか、特に資料あるいは史料として本当に使えるものなのかと。多分、研究者の方々もいろんな統計を駆使し、いろんな統計を探してきて論文を書かれていると思いますが、やはり新聞というのは広く大衆の目の前に出てきますから大きな影響を与えるだろう。じゃあそれをつくっている人間というのはどうやってものごとを考えているんだということを、いっぺんぐらい話してもいいんじゃないかというつもりで題材に選びました。「経済記事ってそういった観念で習慣的につくられているものなんだ」ということを、知っているといいことがあるんじゃないかと。例えば昔よくあったのが、インテリの方が、日本の新聞と外国の新聞を比べて「だから日本の新聞はだめなんだ」と批判する、ということです。

 

1 巻末資料参照

 

 

 

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