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それを北朝鮮が前例として、北朝鮮にもグラントを認めよということになるのであれば、お金はある程度いくのでありましょう。そのときに、韓国はひょっとしたらそのお金か北朝鮮人民軍の近代化または拡大に使われるかもしれない危険を、どのように回避したいと考えるのでしょうか。そのときに、日本に対して、戦後賠償のお金を出すのをちょっと待ってくださいとか、また、スキームを前もって知らせてくださいということになるのでしょうか。吉先生のお考えをお教え願えませんでしょうか。

 

吉 日本政府が韓国政府と北への戦時賠償の対応に関して協議をしようということであれば、それは非常に感謝されるべきでしょうが、それは決して必要ではないと思います。特に、韓国の金大中大統領の考え方、あるいは、彼の政権の考え方から言いますと、これは完全にピョンヤンと東京との話です。しかし、東京がソウルがこの戦時賠償の条件について話をしようとすることになれば、韓国政府にとって、これは非常に大きな頭痛の種になる可能性があります。これはあくまでもソウルと東京がどういう話になるかということになりますが、非常に非公式に話をするということになると思います。

1つ私が、変化するコンテクトの中での日本の役割という話に関連してコメントすれば、日本が意図しようとせざると、日本が非常に積極的な対応をとろうとする。しかし、非常に洗練された形でやろうとしますと、まず第1に、韓国の世論は、日本政府の立場として北に対して支援をする、あるいはビジネスをすることに関して、あまりに生ぬるい対応であったら、それは歓迎しない。

しかし、ノーランド先生がおっしゃったように、日本のビジネスマンが、あるいは、日本政府があまりにもアグレッシブに北朝鮮とビジネスをやろう、支援をしようということになりますと、これまた、韓国の財界の懸念を引き起こしかねない。ですから、これは非常に微妙なトリッキーな問題だと思います。

先ほど、Gさんが問いかけていらっしゃった1国2制度という話ですが、これは、本当に勝手な期待といいますか、これにつきましては、南北サミットに先立って、日本はいわば朝鮮半島の分断の恒久化を期待するのではないかという、危ない発言がありました。今もっと自主的なフォローアップの政策を考えているわけですが、今は相当違うコンテクストになってきていると思います。

いかに日本政府がたどるべき道が難しいか。韓国との2国関係も考えなければいけないし、非常に難しいのですが、複数のチャンネルがあると思います。

 

 

 

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