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3. 質疑応答

 

伊豆見 ありがとうございました。まず最初に、新しく出された本について説明をいただいて、それから、最近の状況について、3つの問題を出されて、話をいただきました。これから5年間はむしろ今までの5年間よりも、潜在的には危ないかもしれないというご指摘は、あとで非常にいいディスカッションができると思います。

まずは、吉博士からコメントをちょうだいいたしまして、それから、フロアーにオープンさせていただきたいと思います。それではお願いいたします。

 

吉 伊豆見先生、ありがとうございます。また、ノーランド先生、ありがとうございます。通常、私の国の韓国では、また、日本でもそうだろうと思いますが、ディスカッサントといいますか、役割はスピーカーにチャレンジをする、あるいは、威嚇をするのではなくて、ただ、補完的なコメントをするということですので、この東洋のルールに従って、役割を果たしたいと思います。

ノーランド博士のことは、数年間、私、94〜95年あたりから存じあげています。ここ数年間、先生がなさってきたことを拝見しておりまして、自信をもって申し上げられるのは、本当に北朝鮮の経済に関する一流の専門家の一人でいらっしゃるということです。そして、恐らく韓国の将来のことを韓国人以上にいろいろと心配されていらっしゃる方じゃないかと思います。これは褒めすぎでしょうか。

何も売り込みのセッションではありませんが、この本を拝見しまして、韓国の専門家がこの本に対して何かつけ加えることができるのだろうかと、考えざるを得ないぐらいのものであります。

本を褒めるのはこれぐらいにいたしまして、中身に話を戻したいと思います。ノーランド先生の考えに対して、私自身の経験を申し上げて、本の中で書かれた論調を最近の南北サミット以降の流れに当てはめて、語ってみたいと思います。

ご存じかもしれませんが、ここ数年間、北朝鮮の核疑惑が発生して以来、私どもは政策立案者、学者、あるいは、私のようなジャーナリストも、将来の北朝鮮のシナリオはどうなるんだろうかということを、いろいろ考えてきました。北朝鮮の核の脅威、ミサイルの脅威だけではなく、飢饉の問題がある。エネルギーの問題がある。経済が危機的な状況にある。そういった一連の問題が混ぜ合わさって、私どもとしては、朝鮮半島の有事の場合にどうするのかということを、いろいろ考えるようになったわけです。

 

 

 

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