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3) 90年代:局地交流圏構想に沿った総合的な国際協力の展開(95年北九州市と大連市の環境保全協力「大連市環境モデル地区整備計画」)。

(4) 特徴

1) 「公共財」・運用ノウハウの国際的移転

姉妹都市交流をベースとした長期間の環境保全、都市計画、生産技術と製品の共同研究。特に環境分野での「公共財」・運用ノウハウの国際的移転、総合計画の作成(北九州市、大阪府、三重県・四日市市。「政府開発援助に関する中期政策」での「顔のみえる援助」「人間中心の開発」)。

2) 国交のない国との交流

ソ連・北朝鮮・台湾など。72年「日朝友好貿易促進日本海沿岸都市会議」の設立(青森・山形・新潟・富山・金沢・福井・舞鶴など21市)。92年境港市が北朝鮮元山市と正式に姉妹都市提携。

 

3、 中国における自治体外交の動向

(1) 日中自治体交流の現状

1) 98年:中国との友好姉妹都市261/1342都市(19%)。第1位:江蘇省(13.5%)、第2位:浙江省(8.7%)、第3位:山東省(7.5%)・遼寧省(7.5%)。

2) 友好姉妹都市交流をベースとした長期間の交流と協力。

形態:研修生の受入、経済交流団・専門家の派遣。

内容:環境保全、都市計画、生産技術と製品の共同研究。

3) 日本の地方自治体の中国事務所:41(内、単独事務所30)。

地点:香港16、上海15、大連6、北京・天津・武漢・福州各1。

(2) 中国の自治体外交(遼寧省と瀋陽市の事例)

1) 遼寧省の概要(1998年)

A) 人口:4090万人。瀋陽市(省都)674万人、大連市541万人、他百万都市12。

B) 産業:第1次産業13.7%、第2次産業47.8%、第3次産業38.5%。

C) 対外交流政策:国際空港・国際港・高速道路・国際工業団地の建設など、ハードインフラの整備を急ピッチで進める。外資系企業の累積数(契約ベース)18,181件(内日系企業2,818件)。

2) 遼寧省の対日政策(1998年)

A) 目的

国際交流・国際協力を通じて、産業構造調整と国有企業改革を推進すること。

B) 内容

a) 日本国内での生産活動に限界がある装置型産業を調査し、同省へ誘致することで産業構造調整を促進する。

b) 中国への進出意欲のある日系企業を調査し、合弁を推進することで国有企業の経営・技術改造を実施する。

 

 

 

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