2. 日本の狭義のNPOの現状を理解することが重要です。
・ボランティア団体や市民活動団体(狭義のNPO)は、極めで小規模な団体がほとんどです。1997年経済企画庁調査によると、
i) 予算規模1千万円未満が全体の87.6%(約7万5千団体)
ii) 独自の事務所を持つ団体が全体の14.8%(約1万3千団体)
iii) 常勤有給スタッフのいる団体が全体の8%(約7千団体)
iv) そのうち3人以上の常勤スタッフがいる団体は全体の1.7%(約15百団体)となっています。
・経済企画庁の推計によると、1995年度の市民活動団体の経済規模は、付加価値で約300億円、産出額は1200億円と算定されています。
・ただし、この5月末までにNPO法人に申請した団体669団体にアンケートしたところ、その回答のあった402団体中227団体が1995年以降設立された団体でした。NPOの新規設立は急速に増加していると考えられます。
3. NPOの企業との違いは、多面的に理解することが必要です。
・法律的には、営利組織とは株主への利益分配を目的とする団体、501C(C-3を除く)は、利益分配ではないが、会員への奉仕を目的とする団体。501C-3は、公益もしくは、社会一般、特定のクラス(開かれた集団)への奉仕を目的とする団体となります。
・NPOの提供できる財・サービスの特徴は、以下のようなものがあります。
1] 環境の保全、人権擁護、平和の推進、地域の安全、コミュニティの構築など、市場では提供しにくい(利益にとらわれない)ようなサービスを提供します。
2] 政府の公共サービスと比較した場合、市民の特定のニーズに応えた、質の高い(特化した)サービス(集合財)を提供します。市民ニーズ主導の事業を開発します。
3] 政治的施策や社会的価値観への参加・推進ができるサービスを提供します。市民ニーズを代弁します。
・NPOはそのために、サービスの対価以外の多様な経営資源の募集を行います。その経営資源の多元性がNPO経営の中核です。
資金:会費、寄付金、助成金、補助金、事業収入など
物:寄付、無償貸し付け、公的施設の利用
人:ボランティア、外部協力者