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ITも、バイオも、バイオの人間に任せておいたのではだめなのです。アメリカは既に1900年代からBECONというプロジェクトを立ち上げました。これは、スボンサーはNIH、ナショナル・インスティテユート・フォー・エイズですから、厚生省です。厚生省の中央研究所が立ち上げたBECONというのは、バイオ・エンジニアリング・コンソーシアム。これからのバイオの国際的な競争というのは、本来のバイオの連中に任せておくには余りにも巨大だ。まず数学者を入れ、コンピューターができる人を入れ、情報理論を入れ、精密工業学者を入れ、材料学者を入れる。さらに、全体を見てどうですかと意見を言うために、生物学者を入れる。これを日本は全く検討していないんです。

 

平山 昔は医学のある程度の素養のある人がME、エレクトロニクスだとかコンピューターを勉強することがよかったと思われていた。ところが、それが逆になったという話を、他の分野でも聞きました。アメリカも逆になってきたと。

コンピューターとか、そういった情報関係のエンジニアが医学とかバイオを勉強するほうが、どうもよくなった。それは、逆だと思っていた。医学の知識を知ってから、あるいは生物学の知識を知ってから、数学とか、情報理論とかを知ったほうがいいと思ったら、どうも反対であるということを、最近アメリカで気がついたということを聞いています。

 

菊竹 次か次くらいのときに、鉄の基礎という何かをやりたいと思っているんです。というのは、基礎はコンクリートでつくったほうがいいなんていうのは、だれも決めていないんです。よくよく考えてみたら、いろいろ欠点だらけで六価クロムなんていう問題が出てきた。今は鉄のほうがいいということになってきている。それを今度ひとつ、大規模建築でやります。

 

佐貫 新しい先端技術で、何と何に焦点を絞ってやったほうがいいのか。それと、都市問題、東京問題を結びつけていく。技術開発も含めて何かそういうことができないものか。

 

古川 公共でやらないのが、例えば、インターネットのプロバイダーの接続料。24時間使いっ放しで、月額500円にしてごらんなさい。みんな集まってきます。アメリカ並みにするんです。

 

平山 80歳の人間が東京に増えていくでしょう。僕もあと2年で80歳になるから、身につまされる。80歳以上の東京の人間はいかにあるべきか。前から関心があり、持論があるので、いつか討論したい。

 

 

 

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