日本財団 図書館


だから僕は新都市を宣言した方がいいと思うので、新都市はできませんかと自治省に言いましたら、今ある都市に隷属しなければ都市はできませんと言うんです。新都市になった方が、都市改革になるんです。

 

古川 A棟とB棟でえらく待遇が違うと、競争が起こります。

 

菊竹 一番先にやるべきことは、やはり国際化なんです。国際企業が会社を立地させたいというようなところをつくらないといけません。

 

日下 そういうものに関する一般論は、まずはそう答えられます。現状を肯定したことを答えてその場は済ませてから、一応の議論をして、集まった人数が多ければまた現状肯定に行きます。その中でまた少数の人が2次会、3次会をして、ひそかに検討に着手します。そういうのを仕切っている人が、出世するかしないかです。今までは変わり者だといって出世しない場合が多かったのが、この1〜2年、変わりました。そういう変わった意見を取り入れてやろうという人が、ぽっぽっと出世します。

 

菊竹 ふるさと創生を少し仕組んだのです。一番のねらいは海外です。日本から海外に行っている人たちが、実に惨めなことをやっています。パーティーをやっても、自分たちだけで集まって、そのために相手国の人々と接触するような機会を自分から失っています。だから公園をつくり、公園の周りに文化的な施設、その周りにホテル、アパートをつくります。アパートはどこの人が住んでも構いませんが、日本大使館でパーティーをやるときは、その庭園を使ってガーデンパーティーをやったりする。庭園自体がゴルフ場のようにものすごく広くて、美術館もあれば劇場もありというのを、ニューヨークとかベルリンとかに、とにかく拠点としてつくる。今でも結構つくっているんです。ドイツに公園をつくったり、劇場を寄付したり、病院をつくったり。ただ、みんな単独なんです。中近東の場合は全然ありません。こんな方法でやっていたのでは、日本の文化の伝播に役立ちません。

 

日下 今、公園の横にまんが喫茶があれば一番いいと思っています。そうすれば世界の子供が全部来ます。アニメ映画館やゲームセンターもつくる。

 

菊竹 去年アメリカヘ行き、親戚に小さなポケモンを買ってきてくれと頼まれたんです。それで買いに行ったら売り切れで、なかなか買えないんです。

 

日下 今の話にぴったりの話をしますと、この間、天皇、皇后両陛下が北欧3国を訪問されました。それについていった友達の話ですが、晩さん会で、両陛下が相手にお孫さんは何人いますかと聞きました。スウェーデンだと思うんですが、10歳、6歳、4歳です。何をして遊んでいますかと聞いたら、ポケモンカードで遊んでいますという。ヨーロッパの子供は、庶民から王室まで全部ポケモンカードで遊んでいるわけです。日本製の、裏に片仮名が書いてあるカードが格好いいわけです。アメリカの話ですが、それが読めるとクールと言われます。クールとは格好いい、賢いです。

 

菊竹 こんなものを何するんだろうと、わざわざ買って持っていきました。

 

古川 目をつけていたマッキントッシュのパワーポイント裏技という本を、本屋に注文したらないというんです。大きな書店に行ったら、店頭にある分だけ。なぜこんなに売れるのか。ビジネスマンが、いかに毎日コンピューターに困っているかがよくわかります。売れ筋は東南アジア。つまり日本語がわからなくても、総カラー、総絵解き、裏技でしょう、見ればわかるんです。ここのアイコンをここにドラッグする、ダブルクリックすると絵解きしてあります。日本語が少々わかれば全部読めるから、どんどん中国、韓国と、東南アジアのIT化を目指している人たちに流出しています。だから日本人の手に渡りません。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION