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牧野 先ほど李さんが、マンガのことにかかわったら2時間でもお話しなければならないとおっしゃたったぐらいで、それぞれ皆さん、マンガに対しては熱い思いがあると思います。これも毎回申しておりますが、12回続けてのフォーラムのなかで問題点を浮き彫りにしたいと考えています。そもそも、事務局にとってはかなりハードなフォーラムをやれ、とおっしゃったのは日下さんですが、いまこの時点、7回目ですからちょうど半ばぐらいですね―、峠に来たなという感じがありますが、この辺からの見晴らしを語っていただいて、今日の「締め」にしたいと思います。

 

日下 日本の大衆文化が自然に広がっているのは大変いいことです。それはそれでいいんですけれども、自然まかせではいけない場合もある。文化戦争のようなことはどの国もやっているんです。つまり、国家と国家のヘゲモニー争いに文化を使っているんです。それから、もっとひどいのは学術を使っているんです。学問の形を借りて自分の侵略の地ならしをやっとるんです。そういうことを気がつかなければいけません。日本もそれをやるかやらないかはまた先の話なんですが、まずそういうことがあることに気がつきましょう。こっちもやられたら、「やられているな」ということがわかる程度にはなりましょう。そこから先やり返すかどうかは、また議論ができる日本人をまずつくらなければいけないんです。まず最初のステップとしてこのフォーラムを始めておりまして、牧野先生のご努力、野崎さんがいろんな人を集めて来てくださることで、大変いいスタートを切ったと感謝しております。ありがとうございます。

 

牧野 すでに10分、過ぎてしまいました。何度も足を運んでくださる方もいらっしゃいます。高知から毎回いらっしゃっている方もあり、感謝しております。「点」だけではなくて、「線」で注目していただきたい。それから、皆さんが発言された内容も英文と和文でしっかりまとめまして、少し遅くなりますがインターネット上でも公開するという形をとっておりますので、今後とも最後に至るまで、それから「成果物発表」に至るまでご注目くださいますようにお願いして、お終いにしたいと思います。

どうもありがとうございました。

 

(終了)

 

 

 

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