日本財団 図書館


劇場用のアニメーションが一つ、それはたぶん来年になったら解禁されると思います。もう一つは音楽です。CDとかカセットテープとか一応日本の大衆音楽というのは公式な場ではいまは歌うことができません。もう一つは、テレビとかラジオの番組です。

日本の大衆文化がもっとも韓国に受けている理由として、私が考えられるのは、いままで禁じられたものに対する欲望、好奇心が一番大きく働いているのではないかと思います。来年、劇場用のアニメーションが解禁されることになって、いま韓国の会社、関連する企業が日本の劇場用アニメーションをたくさん手に入れております。劇場でそれを全部上映するような企画が進んでおります。いまのところそういう劇場用アニメーションを準備して、来年上映すべく力を入れていますが、他国ほどその影響はないと思います。なぜなら、劇場用アニメーションの場合、テレビで放映されているものよりは日本的な要素が非常に強く描かれているからです。

 

吉田 きょうのお話を伺って大変おもしろかった点は、日本人が無意識にといいますか、日本人が別に売ろうと思ってつくったわけではないものが、アジアで自然とたくさん売れてしまったというところだと思います。

無意識ということを考えると、他にもいろいろ日本にはあるという感じがします。例えば先ほどの回転寿司もそうですし、軽自動車、平和主義ももしかしたらそうかもしれません。例えば、きょう岐阜県庁の方、あるいは岐阜県産業文化振興財団の方が起こしになっていますが、日本には地域振興あるいは村おこし、町おこしというものが非常に盛んであります。なかにはマンガを使ったものもありますし、ソロバンを使った地域振興などいろいろなスタイルがあります。そういう各地に村おこしに係わる人たちは、別にそれを海外に広めようという気持ちはなく、単純に自分たちの町あるいは県を盛んにしていきたいという気持ちでやっていますが、きょう聞いていて思ったのは、そういったノウハウでさえもしかしたら世界あるいはアジアで役に立つのではないかということを感じました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION