ただ、流行っている背景をよく聞いてみますと、夜も開いていて小腹が空いたときにも食べられるというので、最初、芸能人や文化人のようなちょっと進んでいる人から食べだした。やや値段の高いものとしておしゃれなレストランで回転寿司を食べるというスタイルで流行っているそうです。
それに健康指向も加わって、みんなが食べたいと思うようになり、格好いいとか、憧れとか、格好いい人が利用しているから憧れる、そのような理由が重なって、いま日本の回転寿司がヨーロッパではやっているようです。
私がわからないのはアジアで日本のポップカルチャーを享受している層についてです。韓国やシンガポールで日本のアニメとかあるいはキンキキッズなどが人気を呼んでいるのは、少し生活レベルの高い人から読みはじめてそれが格好いいといわれるのか。あるいはテレビをもっているちょっと裕福な家庭から広がっていくのか。それとも、単純に海賊版が安いから買われるのか。そのあたりをお二方に簡単に教えていただければと思います。
呉 アジアで日本大衆文化あるいは若者文化を消費している人は、大衆、中流階級層です。先ほど申しあげましたが、日本製のものを買うのはちょっと無理です。例えば日本の音楽のCD、日本製のものだったらシンガポールで40ドルぐらいで売っています。だから、シンガポール人は日本製のCDは買いません。何を買っているかというと、一つは偽物ではない香港でつくられたアジア向けのアジア版CD、値段は20ドルぐらいです。もう一つは海賊版のCDで10ドルぐらいです。買いやすい背景があるからこそ、多くの人が日本文化を楽しむのです。
先ほどの寿司の話ですが、日本の大衆文化はアジアで香港しかローカライゼーションされていません。シンガポール人が食べている寿司は日本の寿司ではなくて、シンガポール化された寿司です。中身は全然違うんです。例えばカレー寿司とか、シンガポール巻きとか、クロコショウカニ寿司とか、全然日本では想像しにくい寿司を食べています。現地化された日本らしいもの。自分の文化と違うものとして楽しんいるわけです。