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野崎 それでは、早速始めさせていただきたいと思います。

本日は、SOHOについてスポットを当てたお話をしていただきます。

SOHO、スモールオフィス・ホームオフィスですが、SOHOスタイルのプロダクションが日本の映像産業を支えているということ。すなわち、IT戦争の第2回戦で日本が圧勝するためには、このSOHOの力を活用しなければならないという仮説に基づき、本日は、日本のコンピューターグラフィックスの先駆者でいらっしゃる、宝塚造形芸術大学の大村皓一先生にお話をお伺いしたいと思います。

 

牧野 通常、マンガ・アニメーションのことを語る、といいますと、現在ある少女マンガをどう読み取るか、ですとか、マンガの技法であるとかを詳しく分析する。マンガそれぞれをおたく的に分析する方向に偏りがちです。それはそれで大切なことだと思います。

しかしこの度、東京財団から「IT戦争の次なる戦略の核にマンガ・アニメを据える」という非常に明確なコンセプトが提示されました。明確であるだけに、マンガに一番近いところにいる私どもが驚いた経緯があります。

確かに考えてみますと、そういうエネルギーを持って語らない限り、単に現在あるマンガ・アニメーションを1つの表現方式として追認してゆくだけになってしまう。これでは生ぬるいのかもしれません。そういうことは渦中にいる私も感じておりましたので、連続フォーラムの座長という非常に重い役目をお引き受けさせていただくことになりました。

ここにお集まりの方々は、いわゆる一般の聴衆というレベルではなくて、皆さんそれぞれが専門であり、マンガ・アニメーションに深くかかわっておられる。しかもそれは、単なるマンガ作家とか編集者とか評論家とかの分野ばかりではなくて、それを活用して非常に大きな経済効果を上げておられるとか、これからの壮大な計画をお持ちであるとか、そういう方々がお集まりです。

大村さんは、本日のテーマに即した独自の見解をお持ちであるとお聞きしております。しかも、工学博士であり、また、実作者でもあるというお立場から、先ほど野崎さんがおっしゃった「SOHO」をキーワードにしてお話しくださる予定です。今日は普段見られない制作現場のビデオも拝見できるということでたいへん楽しみです。では、大村さんお願いいたします。

 

 

 

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