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司会 お時間がまいりましたので、始めさせていただきます。

東京財団国際フォーラム「ポップカルチャー(マンガ/アニメーション)のダイナミズム」ということで、第2回目になります。

第1回目を7月に行いましたが、第1回目の総括をまずご報告いたします。

コンピュータやコンピュータグラフイックスの出現でマンガの表現力が無限になっていくということと、それから、マンガリテラシーが強烈なパワーをもっているということが主な内容でした。具体的には、マンガというものを従来の枠を超えた価値観で幅広に見直しましょうということ、それから、CGやインターネットの発達で創造力も表現力も無限に広がりましたということ。それから、マンガは表現力に優れて、人々の間にどんどん浸透していく力も大きいので、その自由で元気なところを最大限に利用して他のメディアに代替していきましょうということ。そうすることによって、まったく新しいメディアを作り出す力があるということです。更に、人間が豊かに生活して発展していくためには、マンガリテラシー、つまり文字以外のリテラシー、文字以外の読み取り能力が必要ではなかろうかというようなことが、第1回目の内容でした。

本日のテーマは、まず「マンガ・アニメは世界の人々のアイデンティティ作りに役立つ」ということです。アイデンティティという言葉は日本語でいうと、一般的には同一認識だとか、自立だとか、独立というような意味に使われていますが、私自身も子供のときにマンガをとおして、そういったものを身につけていったような気がしています。

それから、二つ目のテーマとして「ポップカルチャーが日本の対外文化政策となる」のではないかということです。ご存知のとおり、日本政府は外交がとても下手で、文化政策も非常に下手なわけですが、考えてみれば、浮世絵だとかマンガという文化は、海外諸国が望んで好きになってくれて、日本を知るきっかけとなっているので、対外文化政策に繋がるのでは、ということです。

もちろん、この二つの話題からどんどん外れていっても一向に構いません。

 

 

 

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