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(1) 「みなと・神戸」の集客力向上

 

神戸市内への観光客へのアンケート調査では、神戸は「海」のイメージが強いものの、「観光船、クルーズ」とのイメージは希薄であり、「海」のイメージと「観光船、クルーズ」のイメージが結びついていないことが浮き彫りとなった。ヒアリング調査でも、物流基地としての神戸港のイメージは定着しているが、神戸港は観光のイメージが薄いといった指摘があった。

そのため、神戸港において、集客や観光に向けた取り組みが必要であるとともに、「みなと・神戸」のイメージづくりに積極的に取り組んでいく必要がある。特に、旅客ターミナル地区における観光魅力の向上が必要である。そのため、同地区における景観形成やにぎわい創出に加え、神戸港に入港する観光船以外の旅客船についても観光といった側面からの魅力づけが必要がある。

全国他地域へのヒアリングでは、神戸の観光船はわが国でも先進的な取り組みであることが指摘されており、今後の神戸の観光戦略として「人の集まるみなと」の魅力と、「観光船、クルーズ船」の魅力を醸成し、広く発信していく必要がある。また、神戸観光船のファンをつくっていくためには、インターネットやマスメディアを駆使した情報発信に加え、学童や市民を対象に普及啓発活動を行う必要がある。

 

【課題項目】

1] 「みなと・神戸」のイメージづくり

2] 情報発信(インターネット・マスメディアの活用、普及啓発 等)

 

(2) 旅客ターミナル地区の集客力向上

 

遊覧船は、偶然に遊覧船を見かけた来訪者が利用することが多いことを踏まえると、遊覧船をはじめとする神戸港の観光航路の利用促進を図る上で、旅客ターミナル地区全体の集客力を高め、旅客ターミナル地区内での回遊性を高めていくことは極めて重要な課題である。

観光船利用者へのアンケート結果では、観光船の利用者の多くが北野町や南京町といった市内の内陸部の観光拠点を周遊している結果が得られた一方で、海洋博物館やメリケンパークといった臨海部の観光施設があまり利用されていないといった結果が得られた。このことは、内陸の観光施設との連携を高める必要性を示唆しており、これらを改善する必要がある。

現在、ポートタワー、メリケンパークへのアクセスは、最寄り駅であるJR元町駅からとなっている。また、モザイク、ハーバーランドへのアクセスは、最寄り駅であるJR神戸駅からとなっている。しかし、臨海部のハーバーランド、メリケンパーク間での東西方向の人流が希薄なため、結果的にポートタワー、メリケンパーク地区と、モザイク、ハーバーランド地区は、分断されている状況となっている。

これらの両地区間での回遊が見られない理由には、2つの地区間に立地する中突堤中央ターミナル(かもめりあ)周辺の魅力向上が図られていないこと等が挙げられるが、ターミナル地区の魅力向上と合わせて、対応が必要である。

 

 

 

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