III. 他地域の観光船の状況
九州方面の3事業者、東京・横浜方面の3事業者に対して実施したヒアリング調査の結果、並びにその他の国内事例、海外事例などについてまとめた。
なお、ヒアリングにおける調査項目は以下の通り。
■事業概要
■事業の動向
■事業上の留意点
■今後の事業展開について
■国・自治体等への要望事項
1. 九州方面
(1) A社
【事業概要】
・航路事業は大きく2つ:大村湾定期船と長崎湾観光船。
・この他、博多湾で西日本鉄道と共同で、ももち〜海の中道の定期航路を運航している。
[大村湾定期船]
・長崎空港、ハウステンボス、時津(長崎市北部)、大村の4ヶ所を結ぶ航路。
・長崎空港〜ハウステンボスは1日10〜12往復(夏期)運航しており、50分で結ぶ。
・他に、平戸や時津からハウステンボスへの不定期航路事業も行っている。
[長崎湾観光船]
・クルージング船「ゼリーフィッシュ」号(233t、旅客定員250名)を使った観光船事業(船上バーベキュー等)。
・21条不定期航路。
・通常ダイヤ(3/18〜6/30、9/1〜12/31)は1日4便(10:45、12:00、15:00、18:30)で、18:30発のみ90分、その他は60分の行程。
・夏期ダイヤ(7/1〜8/31)は1日5便(12:00、13:15、15:00、17:30、19:30)で、17:30及び19:30発が90分、その他は60分の行程。
【事業の動向】
・H12/3から長崎港での運航を始めたため、統計的な利用者数を出していないが、利用状況は概ね良好。
・料理代金による売上げが大きく、料理部門の収益が全体の採算性に大きく影響している。料理部門を自前の事業としているため、その収益が大きく貢献。
・もともとは、博多湾で運航していたが、ターミナル・係留施設等の利用料や漁業補償等のコスト負担が大きく撤退した。