4) 港湾情報化促進における課題
1] 課題
港湾情報化の促進にあたっての課題は、情報化に要するコスト負担であろう。港湾情報化の効果をあげるためには、港湾関連の行政、すべての港湾関連事業者、荷主、銀行等がシステムに接続しておく必要がある。今後は「システムに接続していなければ仕事ができなくなる」時代になると思われるが、大阪港の港湾運送事業では中小事業者が多いこともあり、情報化に要するコスト負担が大きいためにシステム接続していない事業者もある。
また、公共コンテナターミナルの作業効率向上のために必要な情報化についても大阪港への導入は遅れている。
もうひとつの課題は、複数の公共的なシステム間あるいは荷主、船社等が独自に有するシステム間での接続が不十分な点である。港湾管理、通関、物流などさまざまなシステムの相互間の連結ができていないことが、手続を繁雑にし業務効率の向上をさまたげている。
2] 課題の解決方法
港湾の情報化に関しては、平成11年10月に港湾EDIシステム稼働、平成13年度中に港湾EDIシステムとSea−NACCSの接続が予定されており、大阪港においてもこれによるメリットが受けられる。
今後は、これらの公共的なシステムに加えて、公共コンテナターミナルの情報化(例えば、コンピュータシステムによるコンテナターミナルゲート業務の迅速化など)が必要になるが、これについては国の助成措置等を活用し、早急に導入する必要があろう。