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2. 経営基盤強化方策の導入にあたっての課題とその解決方策

1) 協同組合による経営基盤強化方策促進における課題とその解決方策

1] 課題

協同組合化による経営基盤強化にあたっての課題は、「協同組合への加入や新規設立における課題」と「協同組合の運営における課題」がある(表6-4.)。

 

表6-4. 協同組合化による経営基盤促進における課題

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2] 課題の解決方策

協同組合への加入や新規設立を促進する追い風として、協同組合組合員に対する「労働者最低保有基準のみなし特例」がある。自社だけでは現在の労働者保有基準の1.5倍の新基準達成が困難な事業者は、協同組合への加入によって新基準の達成が図られることから協同組合への加入意向は強い。

しかし、このような動機で加入する事業者は、協同組合の本来の目的である共同化については関心が低いと考えられる。したがって、このような事業者で構成される協同組合の共同化活動は低調になることが予想される。こうした事態を避けるためには、協同組合へ加入あるいは新規設立しようとする事業者に対し、事前に協同組合の主旨と目的並びに共同化の必要性を十分説明し理解してもらい、具体的な共同作業等の計画を作成してもらう必要がある。

 

2) コンテナターミナルオペレーターへの進出促進における課題とその解決方策

1] 課題

港湾運送事業者のコンテナターミナルオペレーターへの進出促進における課題は、進出に要する資金と進出後のリスク回避方法の策定である。港湾運送事業者がターミナルオペレーターへの進出を決断しにくいのは、進出に要する多額の資金調達とその回収可能性であろう。わが国の港湾、ここでは大阪港のコンテナ取扱量が今後どのように推移するのか、については不透明な部分が多いため、投資の回収についても不安が残る。

 

 

 

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