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はしがき

 

当研究所は、昨年12月12日から14日までの3日間、東京全日空ホテルにおいて、「21世紀におけるNPO・企業・政府―21世紀の市民社会におけるNPOの役割―」と題する国際会議及びシンポジウムを開催した。

本国際会議及びシンポジウムは、当研究所において実施中の「21世紀の国際社会の課題と展望」をメインテーマとする研究プロジェクトの一環として企画されたものである。

グローバル化が進む一方、人々の価値観が多様化するなかで、政府・企業に加え、新たな社会的な役割の担い手として、NPO(Non-Profit Organization) が新しい市民社会(Civil Society)で重要な役割を果たすことが期待されている。しかしながら、NPOは、90年代を通じて国際的に活動が活発になる一方、様々な課題も抱えている。

NPOが新しい経済社会の活力の源となるためには、NPO自身が積極的に活動の情報を提供し幅広く理解を求めること、国民一人一人が生きがいを持って社会に貢献するためにNPOに参加し、支援していくこと、そして、NPOと政府・企業との緊密な協働関係を築いていくことが重要である。

本プロジェクトは、国内外から有識者を招聘し、21世紀の市民社会におけるNPOの役割とそのための政策支援について、幅広く議論を行うために開催した。

本会議は、当研究所員に加え、米国から、ピーター・ガイスナー ハーバード大学アジアセンター・シニアアドバイザー、ケニース・ギウンタ インターアクション理事長代行、ヴァージニア・ホジキンソン ジョージタウン大学ヴォランタリー組織研究センター教授、欧州から、イギリスのメリー・カルドア LSEグローバルガバナンス研究センター教授、アジア及び豪州から、豪州のエリザベス・チャム フィランソロピー・オーストラリア理事長、タイのパイブーン・ワタナシリサム コミュニティ組織開発研究所理事長、韓国のパク・テキユ 延世大学経済学部教授、そして日本から、山本正 財団法人日本国際交流センター理事長、山岡義典 特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事・事務局長、山内直人 大阪大学大学院国際公共政策研究科助教授の10名の招聘研究者を迎えて行なわれた。

会議は、12月12日の「NPOの現状と課題」、「21世紀の市民社会とNPOへの期待」、13日の「国際社会でのNPOの役割」、「NPOに対する政策支援」の4つのクローズドセッションと14日の公開シンポジムで構成された。

セッションでは、まず、担当する各招聘研究者による発表が行われ、それをもとに活発な討議が展開された。続いて公開シンポジウムは、ガイスナー氏の基調講演の後、パネリストとして、ガイスナー氏、ホジキンソン氏、チャム氏、山岡氏そして当研究所の小堀首席研究員が参加して開催された。

本報告書では、四つのクローズドセッションの概要及び公開シンポジウムの概要を紹介するとともに、併せて招聘研究者から提出された論文を掲載する。

 

 

 

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