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杉浦光子

(「わらべの家」主宰、「志木・老いを考える会」代表、個人誌「六月」発行人)

すぎうらみつこ 1951年東京生まれ。明治学院大学社会学部社会福祉科卒業、途中休学し結婚、出産、重度心身障害児施設の臨時職員を経る。1976年「わらべの家」開設、普段着の福祉をめざした地域活動が認められ埼玉県より文化ともしび賞、読売福祉奨励賞を受賞。1990年より地元、志木で「志木・老いを考える会」を始める。1999年より志木市社会福祉協議会のホームヘルパーとして勤務、現在、個人誌「六月」発行、「障害児を普通学校へ・全国連絡会」運営委員、ボランティア講座等の講師、教育・福祉・医療の分野でフリーライターとして幅広く活動をつづける。

 

◆1989年、我々夫婦が核になって育ててきた地域活動から離れた。地域のすばらしさを疑わずに元気いっぱい活動してきた私が、地域を疎ましく、人と人とのつながりの希薄さを感じ、心に冷たい風が吹く時期だった。(読売新聞・論点参照)

◆機関誌「わらべ通信」の書き手を降り、個人誌『六月』を出すことにした。書くことは大切な自己表現。会の制約、仲間のつまらない思惑、詮索から自らを解放し、自由に筆をふるいたかった。また、取材される立場だった私が、取材する立場になって視野を広げようと思い、医療・福祉・教育分野の取材記者になった。

◆そんな生活が軌道に乗った頃、幼稚園園長から、看取る立場の人間と看取られる立場の人間が一緒に自分たちの老いを考える会を作ろうと声をかけられ、「志木・老いを考える会」が始まった。地域活動から足を洗ったつもりの私が、気がつくとまた地域活動の仕掛け人になっていた。その会も10年たてば、亡くなった方、伴侶を亡くされた方、病弱になり外出が困難になった方と、それぞれ孤独や不安を抱えるようになってきた。

 

 

 

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