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環境の考慮

全般

Grand Bank海域は、北海北部のように厳しい環境下にある。冬場はしばしば、北西及び南西方向からの風とともに激しい暴風雨に襲われる。(Table 1)

シーステートが短時間に変化し、30m以上の波高の波に包まれる。

気温、風、波の状態により、11月から3月にかけて氷に覆われる。

暖かい空気の塊が冷たい海水表面を横切るときに、いつも視界が制限され、特に春と夏は著しい。

浮氷郡が冬には発生するが、Terra Nova海域には3年に一度しか到達しない。氷の季節を含め、3月から9月までの間は、主に年1回氷山が当該海域に移動してくる。

氷山が流れてくるため、生産、貯蔵及び積み卸し設備であるFPSOは、危急遮断が可能であり、外部の補助なしに逃げられなければならない。

遠方の海域では、悪天候と長期間にわたる霧の発生があるため、本質的にFPSOは晴れた時でないとヘリの操作は可能でない。

安定性の解析は、2000Teというかなり大きな氷の塊を考慮している。加えて、船舶は、蒸気管から槍のよう蒸気を出す氷除去装置を備えている。さらに、ヘリデッキは、持ち運び式の氷落とし機を装備している。

零度以下にさらされて、ダメージを受けて傷つきやすい全てのパイプ配管と設備は、加熱と隔離が施されている。大部分の加熱は電気式であるが、炭化水素とバラストシステムは蒸気加熱である。

 

氷対策

数百万トン以上もの氷山が海域に流れてくるので、氷山を避ける対策が開発された。巨大な氷山の接近で、スタンバイボートはFPSOの進路から外に氷山を引っ張ることを試みる。もしも衝突しそうなときは、氷山が海域から流れて行くまで、FPSOは停泊地から離れて遠くに行く。FPSOは高解像度の氷追跡レーダーを装備している。このレーダーは、Hs5m以上の波浪状況で十万トンの未満の氷山と氷山の小片には無効であるように設計されている。それゆえ、FPSOは、耐氷性の補強により、30cmの厚さの氷に5/10覆われた氷海でも耐えられるのと同時に、十万トンの未満の氷山と氷山の小片にも耐えられるように設計されている。

 

 

 

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