参考資料2
OTC 11920[Terra Nova船の設計及び建造](仮訳)
概要
Terra NovaのFPSO船(Floating Production Storage and Offloading:船上で原油の生産、貯蔵及び積み卸しが可能である船)は、氷海域のような厳しい環境条件でも稼働できるように設計された最初の船舶である。本船は、基本設計から詳細設計までBrown & Root Energy Services (BRES)社によって行われ、韓国の大宇重工業で建造され、カナダのNewfoundlandで引き渡された。本船は、カナダのGrand Banks地域の厳しい環境を考慮して、流氷が来る海域や氷海においても危急遮断が可能な、全く新しい設計である。
本論文は、解析と大規模な模型実験について触れることにより、このチャレンジと最終的な解決策について述べている。また、造船所とのやり取りや管理手法とともに、本船の建造と引渡についても述べている。
導入
本論文は、Terra NovaのFPSO船の船体開発について、設計、建造から引渡まで、現状のデザインに至った環境的な背景に焦点を当てて述べている。加えて、過酷なカナダのGrand Banksの環境下における船舶の性能についての議論と、船舶の構造の変遷と引渡の状況についても述べている。
海域
Terra Novaの油田地帯はGrand BanksのJeanne d'Arc海域で現在までに発見された2番目に大きい油田である。本海域開発の第一段階は、Graben及びEast Flankからなり、47.7〜63.6SMm3(3〜4億バレル)の埋蔵量が有ると評価されている。
Terra Novaの油田地帯は水深約94m、Newfoundland St.John'sの東南東350km、Hibernia領域の南東35kmに位置する。(Fig.1)
海域の開発
Terra Novaの油田地帯は、氷を避ける能力とサブシーウェルにより、耐氷性の増した浮体の生産施設を利用することにより開発されるであろう。(Fig.2)
原油の輸送はタンカーで行う。生産されたガスは燃料とガスリフトに利用される。過剰のガスは再注入される。
Terra Novaはこの水域での最初のFPSOであり、適用された設計手法は今後のこの海域の開発における標準となるであろう。
Terra Novaの開発の提案者はPetro Canada、Mobil 0il Canada Properties、Husky Oil 0perations Ltd、Norsk Hydro Canada Oil and Gas Inc、Murphy Oil Company Ltd、Moschober Operating Ltd及びChevron Canada Resourcesである。