4. Texas A&M University, Ocean Drilling Programオフィス訪問
5月5日(金)、ヒューストンから北西に約150km程度離れたカレッジステーションにあるテキサスA&M University, Ocean Drilling Program (ODP)オフィスを訪問した。訪問の目的は、今後、JAMSTECでは地球深部探査船を建造し、本船を用いて科学目的の海洋掘削を行うこと(深海地球ドリリング計画)を予定しているので、既に科学目的の海洋掘削を行っているODPオフィスの関係者と試料採取システム、データベースシステム、研究区画、科学支援体制(コア試料倉庫を含む)、資材管理及びサポート体制について意見交換を行うとともに、ODPオフィスの施設見学をさせてもらうことにより、深海地球ドリリング計画に資することである。
ODPではラーザーレス掘削船により、世界の様々な海域で科学掘削を行ってきており、1985年のLeg100から1999年のLeg183までの間に、535のサイトにおいて1,417ホールの掘削を行ってきている。
4.1 ODPの概要
ODP(国際深海掘削計画)は、掘削研究船「ジョイデス・レゾリューション」を運航し海底の研究を行う国際共同研究計画である。海底を掘削し直接試料を採取・分析し、また掘削孔を用いて地殻の計測や長期観測を行い、地球のダイナミックスや歴史の解明を目的とする。
ODPオフィス本部には総勢約180名が勤務しており、総務等事務担当部署の他、掘削関係部署、科学関係部署、コア保管・管理部署、コンピューター・データベース担当部署、出版関係部署、広報関係部署、資材・荷受け関連部署など様々な部署がある。また、コア倉庫、簡易な科学実験室、資材倉庫、工作室、技術関連試験場などの施設がある。
4.2 オフィスでの意見交換
4.2.1 特殊試料採取システム
特殊試料採取システムは、地球深部探査船の主要なコアサンプリングシステムの一部である。本システムの構成要素の1つであるAdvanced Diamond Core Barrel (ADCB)/Small Diameter-Rotary Core Barrel (SD-RCB)については、JAMSTECとODPとの間で共同開発を行っているものであり、平成12年6月に、このADCB/SD-RCBシステムに関する試験を行うことを予定しているため、詳細な試験内容について打ち合わせを行った。
また、ODPオフィスに展示、保管されている掘削機器、コア採取機器に関して説明を受けた。