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この舟の乗員は漕ぎ手10人、鐘打ち1人、舵取り1人、旗振り1人の13人。なお、先頭の一番エークと舵取りの役割は重要で、この2人で勝敗が決まるとも言われ、漁師の中でも熟練者がこの任にあたる。距離は往復コースの850m。

青年バーレーは次代を担う青年層を育成する種目である。また転覆バーレーはレースの途中で一斉に舟を転覆させ、泳ぎながら舟を元通りに復元させ、再び乗り込んで競漕する。糸満独自の操船技術を競う競漕形態である。両方とも乗員は漕ぎ手10人舵取り1人、鐘打ち1人の12人である。距離も共に850m。

そして行事の最後を飾る上がりバーレーは各地区の優れた漕ぎ手を集めた競漕で距離も長く、この行事のハイライトである。距離も2150mと長い。つまり3往復近く競漕する。この他、職域・中学・高校・教員・門中の対抗競漕がある。興味深いのは余興としておこなわれるアヒル取りである。これは古く中国でも端午節の行事のなかで行われていた。ここにも中国の影響を見ることができる。

以前、港が整備されるまではこの行事は沖への往復であったが、今日では港内をグルグルまわるようになった。糸満は沖縄のハーリーを代表するような行事となっている。それは自他ともに認めるところであるが、イベントとしての要素も強くなりつつある。アトラクションとして沖縄水産高校生徒によるカッター、ボート、カヌーなどの紹介もあった。さらに、漕ぎ方も競争を意識したフォームに替わってきている。その証拠に櫂の水かき部分が他と比べて広くなっている。

 

16] 平屋敷ハーリー

・沖縄県中頭郡勝連町字平屋敷

・およそ7月第2〜3日曜日(モズクの収穫が終わった後)

・勝連町漁協平屋敷支部 TEL098-978-7088

・木造船3隻の爬龍船による競漕 小櫂10丁 大櫂1丁

 

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17] 海神祭(比嘉ハーリー)

・沖縄県中頭郡勝連町字比嘉

・旧5月4日

・勝連町漁協比嘉支部 公民館 TEL098-977-8147

・木造船2隻の爬龍船による競漕 小櫂10丁 大櫂1丁

 

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18] 浜ハーリー

・沖縄県中頭郡勝連町字浜

・旧5月4日後の日曜日

・勝連町漁協浜支部 公民館 TEL098-977-8450

・木造船3隻の爬龍船による競漕 小櫂10丁 大櫂1丁

 

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