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・旧5月4日 糸満漁港

・糸満ハーレー行事委員会 TEL098-992-2011

・木造船3隻の爬龍船による競漕 小櫂10丁 大櫂1丁 鐘打ち 旗振り

 

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★ハーリー競漕は旧5月4日に沖縄各地でおこなわれるが、糸満はその代表格である。なぜなら古くから糸満の漁師たちは漁を求めて外へ出向いていったが、と同時に当地の伝統も外へ広めていった。ハーリーも行事その一つであろう。

ハーリーは中国の影響を受けた行事として、その起源にはいくつかの説がある。一般にこの祭を沖縄ではハーリーとも海神祭とも呼んでいる。特に糸満ではハーリーをハーレーと呼んでいるところに大きな特色がある。なぜそのように呼ぶのか定かでない。海神祭は一般に航海安全・大漁祈願・豊作祈願を願って行われているが、糸満では海の恵みに感謝し、大漁祈願と航海安全を願って行われている。祭に参加するのは漁民である西村・中村・新島の3地区である。そして主なハーレーはこれら3地区3隻で行われる。

祭は旧5月4日の一週間前の早朝に港を見下ろす高台からハーレーの鉦が打ち鳴らされ、ハーレー行事の到来を告げる。そしてそれから一週間は祭の準備に入り、ハーレ舟の手入れなどがおこなわれ、各地区ごとに練習をする。練習舟には舳先に酒・米・塩が捧げてあった。各地区ともに公民館と格納庫がある。ここを拠点にして活動する。

今日では行事は2日間にわたっておこなわれる。初日は午後、小・中学生の少年少女ハーレー、門中ハーレーがある。しかし何といっても2日目が本番である。

旧5月4日の早朝、まだ暗いうちに3地区はそれぞれノロや祭関係者が拝所や高台にのぼり、航海安全や大漁祈願し、同時に行事の安全を祈る。午前9時過ぎ、漁港の両岸にはテントは張られ、多くの観衆が集まる。午前10時半に審判船を先頭に3地区の競漕舟が中心になって港内をパレードする。

その後、最初のレースである御願バーレーが始まる。ハーレー行事は御願バーレー、職域ハーレー、上がりハーレーなどで構成されているが、糸満ではこれに付け加えて青年バーレー、転覆バーレー、アヒル取りなどがある。御願バーレーは3地区の漁業青年部の人達の競漕で、勝った順に氏神である白銀堂に詣でて1年間の大漁祈願、航海安全を願う。そして円陣を組んでエーク(櫂)をもち鉦を鳴らしながらハーレー歌を歌う。そのため、各地区の力の入れ具合は尋常ではない。同時に3地区の応援団も熱がはいる。

 

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