42] 願ほとき
・対馬全域
・ほとんどの地域が不定期だが、豊玉町の一部では1年間の無病息災・家内安全・大漁豊作を願って定期に願を掛けている所もある。
・不定期の場合は主に雨乞い・日乞いであった。
★願ほときの次第は次の通りである。
日照りが続き農作物や日常生活に支障が出ると地区の人達が神社に集まり、雨乞いの願をかけて神社に籠もる。その時、合わせて願が成就すると願ほときに何を奉納するか相談、神意を問うためにくじを曳く。願ほときに奉納されるのは、対馬ではおよそ芝居・相撲・舟ぐろうであった。つまり、この三つの中から選んだ。
しかし、願を掛けても効果がない時は合願といって近隣の村々と一緒に願をかける。およそこのへんで願が成就するが成就しない場合はさらに郷単位で願をかけることもあったようだ。ここまで来ると、願ほときは大変であった。村々が名誉にかけて願ほときの行事を行った。舟ぐろうになれば村々はわざわざ新舟を造ることもあった。
また、願ほときとして美津島町鴨居瀬と小船越は年の始めに漁場をめぐって舟ぐろうをした。つまり年始に良き漁場が与えられることを願って願をかけ、くじ取りの後願ほときに舟ぐろうをした。