この行事の経緯については「元禄元年(1605)、管弦船が地御前神杜から宮島に帰る途中、暴風雨で転覆しそうになっていた。おりしも、近くに停泊していた阿賀(呉市)の鯛網船と、九州からの帰りに厳島神社に参詣しようとしていた“古川屋伝蔵”の船を迎えに行った江波の「伝馬船」が救難にあたった。この遭難事故を契機に、阿賀と江波から船をだすようになった。そのときの船の姿が伝統になり、今でも阿賀は“櫓”、江波は“14丁の櫂”の伝馬船を用いている」と保存会の記事にある。
◎中国地方 (山陰側)
◆鳥取県
1] 境港みなと祭
・鳥取県境港市
・7月第3土曜日 境港港
・境港漕艇協会
・4人乗りナックルフォア、ペーロン20〜30人 2隻 小櫂 大櫂 大鼓
・木造船
★ナックルフォアは直線300m。ペーロンは往復300m。
2] 後醍醐レース
・鳥取県西伯郡名和町
・7月第4日曜日 御来屋港内
・名和町町づくりフェスティバル実行委員会
・4〜5隻の伝馬船による競漕 櫓またはオール
・FPR船
★後醍醐天皇が隠岐島よりの脱出に因むレース。後醍醐天皇の役1名を御来屋新港から伝馬船に乗せ、お腰掛けの岩付近で上陸する。お腰掛けの岩前で特製の台座に乗せ替え、8人で担いで競走する。
3] 波止の祭り (現在はない)
・鳥取県東伯郡赤碕町赤碕
・7月28日
・赤碕神社
・木造船 数隻の和船による競漕
★古くは船団をロープで繋ぎ沿岸を御神幸した。そしてその舟で競漕があったが、今は海上パレードを行っているだけで競漕はない。これは、大漁祈願の祭りである。
◆島根県
4] ホーランエンヤ (参考行事)
・島根県松江市
・5月17日 1997年12年目に行われた。 松江大橋付近、宍道湖と中海を結ぶ水路
・櫂伝馬
★松江のホーランエンヤは12年に一回行われる。前回は平成9年。八幡神杜の大祭行事で、絢爛豪華に飾った3隻の御座船が出て、船上で華麗な剣振りの舞が演じられる。