日本財団 図書館


4.3 平成12年度の調査研究の概要

平成12年度の調査研究の成果は概略次のようにまとめられる。

1) 新方式レーダーのレーダー系インターフェースについて検討し、追尾処理に必要な変更について検討した。

2) 新方式レーダーでは取得情報量が増えるため高速船も追尾できるほか、従来方式より追尾結果が安定し、ロストと乗り移りも減少し、一般の船舶に対する追尾性能も向上する効果があることが解った。追尾性能の向上については第3章の表3.10.3.1にまとめ、表3.2.4に追尾性能の比較を示した。

3) 新方式レーダーを船舶通航業務システムで採用する場合の問題点を整理するため、アンケート調査を含む現状実態調査を行った。

海上交通センターにおける追尾の実態調査の結果、新方式レーダーの採用による追尾性能の向上により解決される問題と、陰領域の追尾や偽像による妨害など別途に解決を必要とする問題があることが解った。この結果を図4.3にまとめて示した。新方式レーダーの採用にはこれらの問題を解決して更に追尾性能を向上させることが望まれることがわかった。

 

092-1.gif

備考) 図中の黒色の矢印は、第2章に示した新方式レーダーの対策によって追尾性能向上が見込まれる対応を示した。灰色の矢印は、その他別途の対策による対応を示した。

図4.3 新方式レーダーで追尾性能が向上する問題と向上しない問題及びその対策

 

4) 新方式レーダーの船舶通航業務システムヘの採用についての検討では、新方式レーダーの高速性と相侯って運用性の向上のために、航行援助のためのシステムなど、運用システム全体の高速性が望まれることがわかった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION