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3.8 追尾パラメータ変更追加

新方式レーダーも従来レーダーと同様に追尾パラメータは全て定数管理とすることになろうが、前記の各々のアンテナ識別と各々のアンテナ別スレッショルドレベル個別制御及び相互連携制御に関する追尾パラメータ変更追加以外の、例えば追尾ゲート幅の設定値(初期値110m、昨年度の中間報告書参考資料7参照)などは、現時点においては、従来の値をそのまま継承するのが妥当と考える。

新方式レーダーにおける追尾パラメータ変更追加による性能向上には、従来レーダーでの対応と同様に、新方式レーダーによるシステム運用の経験で得られる追尾結果を基に、追尾パラメータの見直しと設定変更を行っていくことになるが、従来からの定数変更と同様で対応が可能と考える。

各々のアンテナ識別と各々のアンテナ別スレッショルドレベル個別制御及び相互連携制御に関する追尾パラメータ変更追加の案(注1)を表3.8に示す。

 

表3.8 追尾パラメータ変更追加の案

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(注1) 追尾パラメータの変更追加案の検討段階で、6秒周期のみを3秒に変更して、追尾パラメータの変更をしない案は不採用とした。

各々のアンテナ識別と各々のアンテナ別スレッショルドレベルの個別制御及び相互連携制御に関する追尾パラメータ変更追加をしない場合は、背中合わせにする2面のアンテナが同一規格であっても、同一物標から得られるレーダー映像には微妙な差が生じる。これは、同一規格のアンテナといっても製作上で若干の機械的誤差が生じること、送信周波数が両者で異なること、及びレーダー映像量子化の機差があるためである。このため、2面のアンテナによる映像出力を交互に表示すると、物標の位置、大きさが変動することになり、従来の追尾技術では追尾結果が不安定になるか、若しくは追尾不能になる恐れがあることになる。これについては昨年度の中間報告書第2章新方式レーダー設計上の問題点の検討で指摘したが、追尾パラメータの変更は必要である。従って、追尾パラメータ変更追加などしない案については不採用とした。

 

 

 

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