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2.2.1 新方式レーダーの追尾処理方式概要

新方式レーダーにおける追尾処理は、2面の背中合わせのアンテナから3秒周期で交互に入力し、連携して追尾することになる。これは、既存レーダーにおける6秒周期の追尾の条件を3秒周期に変更するだけで簡単に対応することはできない。(注1)

アンテナNo.1とNo.2に既存の追尾パラメータ及び追尾処理を各々対応させ、アンテナNo.1とNo.2の追尾パラメータ(定数)及び追尾結果のデータ(ファイル)を追尾処理で交互に連携して参照及び更新する処理が必要となる。

この状況別の処理概要を表2.2.1及び図2.2.1に示す。なお、アンテナNo.1とNo.2の障害中の追尾は、機器故障などで各々のアンテナからのエコーが入力できないため、予測追尾となる。(追尾処理フロー概要は図2.2.2参照)

 

表2.2.1 新方式レーダーにおける状況別の追尾処理の概要

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(注1) 例えば、既存の追尾終了条件では該船舶のエコー無しが連続7回でロストとなる。この追尾終了条件をそのまま継承すると、新方式レーダーのアンテナ回転は3秒周期に相当するためエコー無しが約21秒(=7回転×約3秒/回転)継続するとロストとすることになる。しかし、停泊船などのレーダー電波の陰領域を通過する船舶の追尾では従来は約42秒(7回転×約6秒/回転)追尾を継続していることを考慮する必要がある。

すなわち、新方式レーダーの追尾では既存の追尾パラメータなどはそのまま継承するが、それを各々のアンテナ別として、例えばアンテナ別に追尾終了条件を該船舶のエコー無しが連続7回(すなわち、約42秒=7回転×約6秒/回転)でロストとするなど考慮する必要がある。

 

 

 

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