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具体的には、コンテナターミナル運営会社の評価得点の重みを0.7、港湾管理者の重みを0.3としている、重要度Aの影響要素グループについては加重平均を求め、この加重平均点により、カテゴリーA(上位)、B(中位)、C(下位)及びF(コンテナターミナルとして機能を果たしていない)の4グループに分類する。(なおFと判定された港湾は、以下評価しない)

次いで重要度がBの影響要素については同様にコンテナターミナル運営会社の得点と、港湾管理者の得点を加重平均し、カテゴリーa(上位)、b(中位)、c(下位)に分類する。更に、重要度Cの影響要素についても同様に、a.b.c.の3つの3段階評価を行う事とする。

最後にコンテナターミナル運営会社に対する重要度Dの要素に対しては評価得点より、+あるいは、-のカテゴリーに分割する。

 

c. 総合評価

以上の様にして、コンテナターミナル会社と港湾管理者の業務遂行効率を総合的に評価する指標として、例えばAaa+, Abc-, Bab …の様なアルファベット3文字と+または-の4桁で表示される指標が求められる。

なお、コンテナターミナルとして重大な欠陥がある場合にはFの指標となる。この4桁の指標により、最初の桁(大文字A.B.C.)はコンテナターミナルの運営上最も基本的な要素に対する評価値を表しており、重要度がB或いはCの要素について、幾ら高い評価を得ても、第一桁の評価には変わらない。

 

4.4 評価指標の試算

前述の評価手法に従って、今回実施した現地調査対象のコンテナターミナルについて生産性の評価を行ってみる。

付属資料-3のデータをもとに、各コンテナターミナルごとに要素別評価票を作成、評価分野、重量度グループの得点を集計したものが表-5に示しており、この表に基づいてコンテナターミナルオペレーターの重みを0.7ポイント、港湾管理者(港湾公社等)を0.3ポイントとして重要度グループ別に加重平均した結果が表-6に示している。

同表には表-7の基準を用いて判定した4桁の総合評価指標を商事表示している。

表-6に示した最終評価結果によれば、先進国欧州の港湾Rotterdam/Le Havre港のコンテナターミナルは予想通り総て「Aaaa +」と最上位の評価となった、一方カリブ海諸島の港湾は港湾に対する投資度合いと民間資本の導入の度合いにより大きく評価が分かれ、民間資本と管理・運営システムを導入したパナマ大西洋側のMannzanillo Container Terminalはアメリカ資本の導入と管理・運営システムにより「Aaa+」の評価となった。

ジャマイカ国Kingston Container Terminalは民間資本(荷役機械の購入等)と管理・運営についても完全な民営化で実施されており、その評価結果は「Bba+」の評価となった。

キューバ国Hvana Container Terminalは規模・荷役機械整備並びに管理・運営についても国営で行われており、各評価Pointとも低く「F」ランクの最低の評価となった。

なお、重要度A及びBの影響項目に関しては、コンテナターミナル施設、荷役機械、管理・運営計画、オペレーション計画、雇用計画、諸手続き、立地条件・環境の7項目別の達成度を図示したものが「図-1」に示している。

この図により、調査対象コンテナターミナルがどの様な点で改善する余地があるかが明瞭に判断できる。

 

 

 

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