2. コンテナターミナルの生産性に影響する諸要素
コンテナターミナルは港湾物流の担う一つの組織体でありハードウェアー(施設、機械等)、ソフトウェアー(管理、運営等)及びヒュマンウェアー(ターミナル要員)の三者が一体となって円滑な運営が可能となる。
これらの三者が受け持っている役割の内でコンテナターミナル全体の効率・生産性に影響を与える要因を検討する。
生産性に影響を与える諸要因は、コンテナターミナル計画段階で配慮すべき事項と緊密に繋がっており、その為には計画の段階で管理・運営方式を参考にして、考えられる影響事項の抽出する事である。
コンテナターミナル生産性を表す指標としては、コンテナ船と岸壁間の荷役能率はガントリークレーン1台/時間当たりのコンテナ数が重視される事が多く、この場合ガントリークレーン自身の能力と運転員の技能で決まり、通常1台/時間当たり25〜35コンテナの範囲である。ガントリークレーンの扱い能力は機能的に最高の運転状態を維持出来るように荷役環境を如何に整備するかによって各コンテナターミナル毎に大きな相違がみられる。
また、コンテナターミナルの生産性は単に前述の時間当たりの最大能率のみで証価されるのではなく港湾物流全体の管理・運営の観点からは、年間を通してどれだけのコンテナを扱ったかが重要であり、寄港するコンテナ船の配船スケジュールについても重要な影響要因となる。
2.1 コンテナターミナル自体に関わる影響要素の抽出
A. 岸壁/コンテナ船間の扱い量に係わる影響要素
A-1. コンテナ運航船の寄港頻度
コンテナ船は定期船であり、最近の配船スケジュールは毎週・隔週等、固定日配船が主流となり、寄港頻度と寄港間隔が要素として重要であり、コンテナの卸/積の荷役準備に必要な時間的に重要な影響要因(短時間で出来るか)である。
A-2. 一船当たりのコンテナ卸/積個数
通常のコンテナ船は最大積載容量が決まっているが、コンテナ船の運航状況では航海毎に積載される最大コンテナ数が最大値となるが、貨物の重/軽等季節変動による喫水等で最大積載個数で決定される(一般的には最大積載能力個数より少ない)。
また、複数港湾に寄港する船の場合は最大積載個数より扱い個数は少ないが卸/積コンテナ個数の比率等を考慮した荷役計画が必要であり、更に船の着/離岸、荷役開始するまでの準備時間等、実際に荷役を行う時間を考慮すれば一隻当たりの卸/積コンテナ個数が多い程、生産性が向上する。
A-3. 扱いコンテナ運航船会社数
コンテナターミナルのユーザーは国際コンテナ航路を運航船社であり、その他に、