都市鉄道整備事業におけるPPPの事例を紹介する。日本での鉄道整備にはいくつかの典型的なパターンがある。第1は、日本の都市鉄道整備の初期段階に実施された国有鉄道の長距離通勤路線整備である。通勤客に対するより良いサービスに必要な投資と運営コストは、初期段階では、長距離の乗客と貨物輸送からの利益でまかなわれなければならなかった。しかしながら、これらのコミュータサービスは、東京あるいは大阪のような都市圏では主要コリドーになり、鉄道会杜の利益の根幹を形成している。
第2の典型的なケースは民間の鉄道開発である。このタイプで最も重要なポイントは、鉄道開発と地域開発の連携である。この種の融合は、住宅からのアクセスを向上させ、駅周辺の地価も押し上げる。これが、交通整備事業の不動産への開発利益である。鉄道開発にこの利益を分配すれば、鉄道整備事業の資金調達が可能となる。これが開発利益の内在化である。
そして第3は、初期段階での乗客の確保で、事業の財源を改善することになる。これは民間鉄道と駅の事例である。駅と軌道がある。民間鉄道会杜等がショッピングセンターを開発して、開発益を安全に内在化した。駅の図面と駐車施設が見られるが、バス、自転車、自動車等の他の交通モードヘの乗換えを改善するために地方自治体が開発した。
中央政府や地方自治体主導で開発された大規模なニュータウン開発も鉄道と地域開発が融合された例の一つである。この図は、民間部門によって東京郊外で1970年代に開発されたニュータウンの図である。総面積は30km2で、計画人口は30万人である。通勤路線の駅が二つあり、東京中心地域へは1時間で接続する。これらの結合した鉄道は民間であるが、ニュータウン開発部門からの財源の支持があって建設された。前に述べた開発益の内在化の例である。
第4は、既成市街地における地下鉄開発である。政府予算に限りがあるため、建設ペースはそれほど速くない。
民間の都市鉄道整備への貢献は以下のように要約される。
・住宅、ショッピングセンター、レジャー施設の開発との連携
・商業やビジネス用のターミナルや駅の整備
・比較的低い経費で信頼性が高い運営の実施
日本の公共部門のキーポイントは以下である。
・事業の調整と認可
・鉄道整備に対する財政支援
・乗換え施設整備
・鉄道駅周辺の鉄道指向型都市開発