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一方、運河(klong)での運行はバンコク市行政府(BMA)排水下水部が監督・認可している。フェリーは道路を使うより速い場合が多い。ラッシュ時だけは定員超過が顕著であるが、一般にフェリーの便数や定員は現在の需要を満たしていると言える。しかし、快適性・アクセス・乗下船施設や、桟橋の環境は良くない。バスとフェリーの乗り継ぎの悪さがフェリーの利用を妨げているし、安全度も低い。川渡しの料金は2バーツで、エクスプレス ボートや運河ボートは4、5バーツから距離に応じて15バーツ程度である。表2には、1994年から1999年のフェリー利用者数の推移を示した。

 

Table 2: Number of Passenger using ferry services in 1994-1999

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Source: The Harbour Department

Remark: There is no survey in 1998

 

3. 通勤電車

通勤電車を運営するタイ国有鉄道(SRT)は、議会が指名した理事長と理事が構成する理事会が管轄している。バンコクと周辺地域を結ぶ交通機関としてのSRTの鉄道の役割は比較的小さなもので、1995年の公共交通利用者の2%にすぎない。それでもSRTは、道路の利用者を分散させる目的で毎日バンコクから放射状に伸びる路線132kmで通勤電車を走らせている。列車の本数は5路線あわせてもラッシュ時1時間あたり12本、乗車定員も合計で20,300人と少ない。

 

4. タクシー

バンコクで運用されているタクシーには2種類ある。タクシー(セダン)とトゥクトゥクと呼ばれるオートバイである。タクシーとトゥクトゥクは地上交通部(DLT)の商用車両免許局の免許を受けている。新しく免許を受けるタクシーはメーターを付けなければならないことになっているので、メーターのないタクシーの割合は減ってきている。タクシーとして登録できる車両は1500cc以上のガソリンもしくはLPG車で、初回登録から2年以内の車両でなければならず、7年以上は運用することができない。免許タクシーの総数は以前は制限されており、数の増加が安定したがタクシー運用権が売買される結果になった。その数の多さにより交通渋滞がひどくなった。

 

 

 

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