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2. 大カイロ圏地下鉄網プロジェクト

研究により提案された「大カイロ圏地下鉄網プロジェクト」には、以下のような事業が含まれている。

 

2.1 大カイロ圏地下鉄網1号線(イル モルグ〜ヘルワン間)

この路線は、南部のヘルワンからタフリール広場とラムセス広場を通り、北部のイル モルグヘと伸びるルートである。

南部のヘルワンから市中心部をトンネルで貫き、北部のイル モルグへ繋がるこの路線は、地下鉄網のバックボーンとなることが期待され、延長は42.5km、33の駅を擁し、カイロの人員輸送量の約30%を運んでいる。

9両編成を最小運転間隔2.5分で運行するこの路線の最大輸送能力は、一日一方向あたり100万人で、1時間にすると一方向あたり6万人になる。現在ヘルワンからイル モルグヘ、9両編成が一日平均260回出発している。所要時間は64分で運行速度は時速40kmである。

 

2.1.1 軌道の解説

軌道はレールと枕木からなる平面構成をバラスト道床で支えている。地上部のバラスト道床は、固めた土の上に設置され、トンネル内ではコンクリートスラブに乗っている。図2にこのタイプの軌道を示している。各部の詳細は以下の通り。

バラスト道床

バラスト道床は、ばらの粗粒バラスト一層でできている。バラスト道床の厚さは枕木の底面から測って25〜30cmである。

レール

トンネルと地上部分で使われるレールはUIC54セクションで、18mごとに溶接される。自動閉そくシステムの運用のための軌道回路を分けるために、接着絶縁継ぎ目が使われる。

枕木

トンネル部分と、地上部分の主な区間の2本の主軌道には、モノブロックのコンクリート枕木が使われる。木枕木はすべての枝線で使われる。枕木の間隔は60cmである。モノブロックのコンクリート枕木の重量は約250kg、木枕木は約100kgである。

 

 

 

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